“物価の優等生”と言われている、卵の値上がりが止まらない。「JA全農たまご」が1月31日に発表したMサイズの卵の卸売価格が、過去最高となった。

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東京での1キログラムあたりの卸売り価格は、2022年の1月は151円だった。しかしその後どんどん上がり、2023年の1月31日には305円まで上がった。なんと、前年の2倍ほど高くなっているのだ。これは、統計が公表されている1993年以降で最も高い価格だという。

「安かった卵が高く…」家庭でよく使う卵の価格が過去最高に

では、実際にスーパーではどのくらいの価格になっているのだろうか?

東京・練馬区にあるスーパー「アキダイ 関町本店」では1月31日、LLサイズ10個入りのパックが240円で売られていた。前年の今ごろは200円を切っていたということで、40円以上価格が上がっていることになる。

60代女性は「今まで安かった卵がちょっと高くなった気がする」、40代女性は「色んな物に使うので。卵単体だけじゃなくて料理に使うとなると、アイテムとして高くなっちゃうと困りますね」と話した。

例年1月は価格が落ち着くのに…鳥インフルエンザの影響で高騰

卵は毎日使うという家庭も多いのではないだろうか。家計にとっては大きな負担となる。

卵の価格は例年、クリスマスケーキなどの需要が高まる12月は上がり、需要が落ち着いた1月は下がる傾向にあり、農水省も「1月に入れば価格が落ち着いてくる」との見方を示していた。

しかし、今も価格が上がり続けている理由は何なのか。

その大きな要因は、鳥インフルエンザだ。各地で大規模な殺処分が行われていることが影響し、価格が高騰している。

今シーズンは特に、渡り鳥が日本に来るピークが早かったため、例年より早くから感染が確認されている。早い時期から、感染した鳥が各地にウイルスを運んだことが、この大流行につながったとみられている。

影響は企業にも コンビニで卵使った商品の販売休止・規格見直し

この影響は家庭だけでなく、企業にも…。

31日「セブン-イレブン」は、サンドイッチやサラダといった、卵を使った商品の販売休止規格の見直しを行うと発表。

販売休止を行うのは「セブンプレミアム 半熟煮たまご」など約15商品で、販売を再開する時期はまだ決まっていない。

そして、規格の見直しを行うのは約10商品で、例えば「ハムとたまごのサンド」はゆで卵の量を減らし、ハムを増量して販売するという。

様々なものの値上げは2023年も続いていて、2月からは4000品目以上の食品の値上げが予定されている。家計への影響はまだ続きそうだ。

(「イット!」1月31日放送より)