富山・射水市の老舗木材加工会社が取り組むSDGs。木を知り尽くした熟練の技から生まれるアップサイクルの数々を取材した。

端材を再利用して「持続可能」な商品に

かわいらしい学習机に本棚。実はこれらの材料に使われているのは、これまで使い道に困り廃棄されていたものだ。

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果たして、どんなものをアップサイクルしているのか、射水市の永森木材を訪ねた。

谷優子アナウンサー:
ここに積み重ねてありますが、これが?

永森木材 吉村孝太さん:
木製のパレットで、紙をのせるもの。ここに爪を指して、モノを運ぶ

1951年(昭和26年)創業の永森木材。製材や材木業から始まり、現在は物流用の木製パレット(荷物を置く台)専門の町工場として、主に製紙会社用のパレットを製作している。パレットは、物を運ぶ時にまとめて運んだり、フォークリフトの爪でひっかけて運びやすくしたりするもので、作る時に必ず出るのが、材料を切ったあとに余る端材(はざい)だ。

永森木材 吉村孝太さん:
元々の部材の長さがあるので、端材がいっぱい出てくる。取り合わせがあって、どうしても出てくる小さな端材はパレットには使えない

加工の際に出る端材は、まきストーブ用の燃料として使うことはあっても、ほとんどのものは業者に引き取ってもらい、焼却処分していたという。しかし、大きさによっては再利用できるものがあるのではと考え、あることをひらめいた。

永森木材 吉村孝太さん:
業務用で使う強度の高い木材なので、端材をDIYの材料に使ってもらいたいと思い、やり始めました

加工の際に生まれる端材を活用して作ったのが、パレットボックス。業務用のパレット製造で培ってきた技術を生かし、端材を使って、サイズの小さいパレットを作った。

大きさの異なるパレットをセットにして販売。パレットの組み合わせ方は使う人の自由なので、棚にしたりテーブルにしたりすることができる。

また、木のぬくもりを感じながら生活してほしいと、家のエクステリアや部屋のインテリア小物としても加工。レコードを収納できるラックも作られた。

今一番注目されているのは、パレット4枚とヘッドボードで作る、その名も「パレットベッド」だ。

永森木材 吉村孝太さん:
置くだけでベッドになる。掃除や模様替えでの移動も簡単で、ずらすだけでできる。あとは、捨てるタイミングが来ないことも考えている。ベッドの役割を終えた時にテーブルとして使ったり。工夫次第ではソファにもなる

谷優子アナウンサー:
おもしろい。ライフスタイルに合わせて使えますもんね

パレット4枚で作るシングルベッドに2枚を買い足せば、ダブルベッドにも変身する。

資源の有効活用で、地球にも人にも優しいモノ作り

また、材料には国産の間伐材・サワラも使い始めた。間伐材は、森林を成長させるのに密集化を防ぐため間引いた木材のことで、木材資源の有効活用にも配慮している。

永森木材 吉村孝太さん:
(サワラは)「たらい」や「おひつ」にも使われていて、湿気に強くて軽くていい木材なんですけど、最近は日の目を浴びない

最近、日常生活の中で木製のたらいやおひつを見かけなくなったが、木の特性を熟知しているからこそできるアップサイクル。自然から生まれた木材をこれからも持続的に使い続けてほしいと、吉村さんは話す。

永森木材 吉村孝太さん:
自分の生活が変わっても、共にしていけるような家具を作りたい

谷優子アナウンサー:
木のぬくもりもありますしね

永森木材 吉村孝太さん:
しっかりとしたものを作って、ずっと一緒に歩んでいってもらえるようなものができたらいいと思ってます

パレットで作ったベッドやインテリア小物は、永森木材の「パレットラボ」のウェブサイトから購入できる。これから春の新生活に向け、需要が高まりそうだ。

(富山テレビ)

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