全国で相次いでいる強盗や窃盗事件を指示している疑いがある「ルフィ」を名乗る人物が、フィリピンにいる可能性があることがわかった。

警視庁はこの「ルフィ」が、東京・狛江市の住宅で起きた強盗殺人事件にも関連している可能性もあるとみて調べている。

レンタカーから空箱 宅配業者を装ったか

柔らかな表情で写真に収まる女性。

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東京都狛江市の自宅で両手を縛られ、顔から血を流している状態で発見された大塩衣与さん(90)。

大塩さんを知る人:
おとなしくて人柄のいい人でしたね。真面目でしたよ


事件の解明に向けて、まだ多くの謎が残されたままだ。

大塩さんを知る人:
あのような残忍な形でお亡くなりになるなんて、本当に残念で…

この狛江市の強盗殺人事件との接点が判明しているのが、2022年12月に発生した事件で逮捕された永田陸人容疑者(21)。

大塩さんが殺害された翌日の1月20日、永田容疑者は現場から約30キロ離れた東京都足立区内で職務質問を受けていた。
このとき、狛江市の事件で犯行に使われたとみられるレンタカーが押収された。

職務質問を見ていた人が当時の状況を語った。

“職務質問”を目撃した人:
車から(男が)降りて、警察の方の(職務質問)を受けてました。ドア開けたり、またしゃべったり

そして、このレンタカーからは、結束バンドのほか3本の腕時計が見つかったことが新たに判明。

さらに、そのうちの1本は大塩さん宅から奪われたとみられる高級ブランド・フランクミュラーの腕時計だったという。
ほかにも、空の段ボール箱が車内で見つかった。宅配業者を装った可能性もある。

そして、事件前日に現場の下見をしていたのか、複数のレンタカーを使っていたことも明らかになった。

こうした一連の手口や痕跡からは、手慣れていない様子もうかがえる。

フィリピンにいる?「ルフィ」名乗る人物とは…

捜査関係者によると、2022年から全国的に相次いでいる強盗事件で、犯行グループはSNSで闇バイトを募集し、実行役を集めているという。

一方で、こうした実行役に対し、通信アプリを介して強盗や窃盗などの指示を行う人物の存在があった。

複数の事件で、指示役は自らを「ルフィ」と名乗っていたという。

狛江の事件にルフィが関わっていたかはわかっていないが、犯行当日、現場付近ではこのようなやりとりが目撃されていた。

現場付近で不審な人物を目撃した人:
電話してましたね。スマホでなんかこうやってみながらやってたような。なんか“俺は大丈夫っす”みたいなことを言っていて

また、1月10日に栃木県足利市で起きた強盗事件では、何者かが遠隔で犯行を指示していたと被害者が証言している。

栃木・足利市の被害者:
犯人が携帯を持っていて、そこから指示を受けて、(金品の場所を)しゃべらなかったら殴っていいよみたいな

捜査関係者によると、「ルフィ」を名乗る人物は、指示役として去年の東京・稲城市の強盗事件など複数の事件に関わっていたとみられていて、フィリピンにいる可能性があるという。

警察は、ルフィを名乗る指示役と各地で起きている事件との関連を、慎重に調べている。


(「イット!」1月25日放送より)