12月20日にイット!が報じた、病院で看護師が患者に暴行を加える瞬間をとらえた映像。
その後、警察が病院の捜査に乗り出すなど事態は急展開。

21日には、事実を公表してこなかった病院が会見を開いた。
看護師による患者への暴行、その責任をどう説明するのか。静岡県の精神科病院「ふれあい沼津ホスピタル」の会見は、謝罪から始まった。

この記事の画像(13枚)

ふれあい沼津ホスピタル・加藤政利院長:
このたびは当院院内にて、職員による入院患者さまに対する暴行事件が発生し、患者さま、ご家族さま、また関係各所の皆さま方に多大なご迷惑ご心配をおかけして、本当に申し訳ございませんでした

そう話すと、1分以上頭を下げた。

患者の顔を殴り、腹に蹴りを…男性看護師が暴行

事態が動いたきっかけは、イット!が伝えた暴行の実態についての映像だ。

9月15日の映像では、50代の男性看護師が患者の顔を殴りつけるなど、繰り返し暴行。
2週間後の28日の映像には、同じ看護師が同じ患者に対し、腹に蹴りを入れ、頭も蹴る様子が捉えられていた。

怯えるような素振りを見せる患者に対し、暴行はエスカレート。患者の足に体重をかけながら踏みつけていた。
こうした暴行の実態を病院側は…

ふれあい沼津ホスピタル・事務責任者:
フジテレビのテレビで放映された通りでございます

弁護士:
殴る蹴るということで間違いないかと思います

ふれあい沼津ホスピタル・加藤政利院長:
本当にそんなことがなぜ起こったのか。びっくりしているのが現状です

報道をきっかけに…警察や行政が動いた

こうした中、警察も動いた。
20日夜に病院へと入り、関係者に話を聞くなど捜査に乗り出したのだ。警察車両が、病院を出ていく様子も見られた。

行政も動いた。沼津市の頼重市長は21日、暴行を非難した。

沼津市・頼重市長:
そのような事件が発生してしまったということは極めて残念でありますし、決してあってはならないことであると考えているところでございます

暴行した看護師「まぁ10回ぐらいかな」

警察と市が調査に動いた、病院内での暴行。
当事者の看護師は、イット!の直撃取材に対し、暴行を認めた上で次のように説明している。

(Q.何回ぐらい暴力行為を働いた?)
暴行を行った看護師:
まぁ10回ぐらいかなっていう感覚がありますね。申し訳ないと。今までしたことに関しては許していただきたいと。そう言わざる、そうしかないと思います

一方、病院側には関係者から暴行について告発し、調査を求める文書が届いていた。
しかし、病院側は19日まで行政機関に報告を行っていなかった。
関係者は病院側の対応を批判している。

関係者:
患者様への暴力行為が起こったときに、患者様を守るべき立場なのに、それを怠っている。病院全体に、そういった暴力行為を隠蔽するような体質があると思います

複数の職員が暴行か…病院側「認識が甘かった」

病院側は21日、行政機関に届け出なかったことについてこう説明した。

ふれあい沼津ホスピタル・事務責任者:
届け出の義務というのがなかったこともありまして、速やかに関係機関への届け出をするという意識に欠けておりました。その辺の認識が甘かったことで反省をしております。隠す意図は一切ございませんでした

関係者によると、暴行は複数の職員により、長期にわたり行われていたという。
警察は実態の解明に向け、引き続き捜査を進める方針だ。

(「イット!」12月21日放送より)