ウィズコロナに舵を切った中国では、火葬場での突然の混雑に不安が広がっている。

コロナ急増の中国 駅が大混乱?防護服の人も…

中国がゼロコロナ政策を緩和して、約10日後の北京駅。閑散とする街中とは違う状況だった。

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記者リポート:
北京駅の出口は多くの人でにぎわっています。皆さん、地方から出てきたんでしょうか

北京では多くの人がコロナに感染し、宅配便の配達スタッフをはじめとした働き手が不足。

そのため、中国メディアによると、一部の地方から北京に人が入ってきているという。
さらに、感染のリスクを避けるため、北京から地方へ移動する人など、多くの人が北京駅に集まっている。

すると、人混みでもひときわ目立つ“防護服を着た”利用客を見つける。防護服とキャリーバックという姿で歩く人もいた。

こうした人に防護服を着ている理由を聞くと…

防護服を着ている人:
瀋陽から来ました。北京にいる母親を看病するために来たので、私は感染できないんです

週末の「ユニバーサル・スタジオ・北京」では人出は少ないものの、楽しそうに遊ぶ観光客の姿があった。

彼らに「感染が怖くないのか?」聞くと…

観光客:
私はもう“陽性”になったんです。でも、もう陰性だから心配ないです

取材に答えてくれた人はみんな、「すでに陽性になり、回復した」と答えていた。

新たに開設するも…閑散とした発熱外来

爆発的な感染拡大を前に、中国当局は先週、新たな発熱外来を全国に5万カ所近く開設したと発表した。

その施設の1つ。北京市内の体育館に設置された臨時の発熱外来を訪れてみると、住民に情報が行き届いていないのか、病院の発熱外来とは対照的に、臨時施設は閑散としている。

中国各地で奪い合いになっている解熱剤などの薬が手に入るか聞いてみると、薬を簡単に手に入れることができた。

感染拡大が原因か?火葬場も混み合い…

こうした中、感染の拡大に合わせて“火葬場”が込み合ってきているという。

火葬場へ向かう道も…
火葬場へ向かう道も…
火葬場の敷地内も混雑
火葬場の敷地内も混雑

葬儀場に続く道は、多くの車で渋滞となっている。北京市内の火葬場の敷地に入ると、車を止めるスペースを見つけるのも大変な混雑ぶり。

そして、人数制限が行われているのか、入り口の前には火葬場に入れない大勢の人の姿があった。

その中には、職員らに詰め寄る人の姿も見られる。

火葬場の突然の混雑とコロナの感染拡大との因果関係はわかっていないが、中国当局は12月18日、北京で新型コロナで亡くなった人を2人と発表。
しかし、実際の数はそれをはるかに上回るものとみられている。

アメリカの調査機関の中からは、中国で2023年、新型コロナで亡くなる人が100万人を超える恐れがあるとの見方を示すところも出ている。

(「イット!」12月19日放送分より)