12月に入り、厳しい寒さが続いているが、冬本番のこれからの季節に食べたくなるのが「鍋もの」。“今年ならでは”の愛媛の注目の鍋料理を取材した。
ふぐ名人がつくる「てっちり」を堪能
ふぐ名人が手がける「てっちり」にレトロな「地鶏鍋」。
鈴木瑠梨アナウンサー：
今の季節がまさに旬の高級魚と言えばフグ。寒い夜にフグの鍋・てっちりなんて、最高ですよね
フグのうま味が凝縮された「てっちり」。淡泊ながらも奥深い味わいとぷりっぷりの食感は、まさに鍋料理の王様。
このてっちりが会席で楽しめるのが、松山・道後の老舗旅館「ふなや」。
なぜ、ふなやでフグなのかと言うと…。
鈴木瑠梨アナウンサー：
「ふぐ名人」の角藤さんでしょうか？
ふなや・角藤学さん：
そうです！私が今年の「ふぐ名人」です
角藤さんはフグ調理の腕前を競う愛媛県内の大会で、2022年見事に優勝し、「名人」の称号に輝いた「ふぐ名人」だという。
鈴木瑠梨アナウンサー：
今回、5回目の挑戦ということですが、名人になられていかがですか？
ふなや・角藤学さん：
素直な気持ちでいうとすごくうれしいです。それまでにたくさんの方に協力していただいて、ご指導していただいたのが良かったかなって思います
実はふなやは角藤さん以外にも歴代のふぐ名人や、その上をいく「大名人師範」がそろうフグ料理のエキスパート軍団。
鈴木瑠梨アナウンサー：
それでは今年のふぐ名人の角藤さんに調理の腕前を見せていただきます
まずは、名人の技「フグ刺し」を披露。
鈴木瑠梨アナウンサー：
流れるような包丁さばきでかなり薄く見えるんですけど
ふなや「大名人師範」・藤久尚樹和食料理長：
器の柄が透き通るぐらいの薄さにすると見栄えもいいですし。今これは菊花盛りと言って、お皿を一周させて菊の花に見立てるように盛っていってるんですけど、これはかなり難しい技ですね
そして、次に「てっちり盛り付け」を披露してもらった。
ふなや「大名人師範」・藤久尚樹和食料理長：
てっちりはさばいたフグのアラなどを盛り込んだ鍋ですね。骨がついてますので、下処理を丁寧にして盛り込む。野菜とアラとのボリューム感や奥行き感とか、そういったものも大事にしています
寒い冬を乗り切るためにエネルギーを蓄えた旬のトラフグを、名人の技で華麗に調理したフグ会席。まずはフグ刺しを鈴木アナウンサーが試食。
鈴木瑠梨アナウンサー：
透き通って見えてますよね。まさに名人のなせる技です。フグはプリプリしてるんですけど、中に巻いてあるアサツキがシャキシャキしていて食感の違いが楽しめるところが最高です
そして今回の主役・てっちりは…。
鈴木瑠梨アナウンサー：
プリプリ。歯応えがありますね。フグのうまみとポン酢があわさって、最高の味に仕上がっています
フグ会席は宿泊客以外も楽しむことができ、これからの季節は忘年会などで人気だという。
ふなや「大名人師範」・藤久尚樹和食料理長：
今、フグがとてもおいしい時季になっていますので、フグの魅力を存分に味わえるように丁寧に仕事をしていますので、ごゆっくりと鍋をつついていただければと思います
「平成レトロ感」あるシンプルな地鶏鍋
飲食店の情報サイト「ぐるなび」が提案する、今年の鍋のトレンドは「平成リバイバル鍋」。平成に人気を博した鍋を「今らしさ」を感じさせる要素でアップデートしようというもの。
モツを串に刺し取り分けやすさに配慮した「彩り串もつ鍋」に、キムチ鍋に豆乳のホイップをのせた「クリームチゲ鍋」など、定番鍋の見た目や食べ方が工夫されている。
正本健太アナウンサー：
「平成リバイバル鍋」が提案された背景の1つが若者に人気が高まっている「平成レトロ感」です。どこか懐かしい見た目、そして、味わいにも注目です
松山市二番町の「地鶏の伝兵衛」。地鶏を使った焼き鳥や鶏のたたきなど、こだわりの鶏料理を楽しめる。
そんな伝兵衛ならではの鍋料理が…。
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
こちら「地鶏鍋」です
正本健太アナウンサー：
おいしそう！ぐつぐつと煮こまれてて、何か冬の風物詩って感じがして、早く食べたいです
おうち鍋の定番のひとつ・鶏肉の鍋は定番、かつ、どこか懐かしい平成レトロな一面も。地鶏をとことん使うことで、シンプルながらも奥深い味わいに仕上がっている。
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
使う鶏肉は愛媛が誇る「媛っこ地鶏」です
正本健太アナウンサー：
きれいな色してますね
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
良いでしょう、赤みが強くて
店で出される地鶏は愛媛のブランド地鶏「媛っこ地鶏」。八幡浜の自然豊かな環境で育った一羽一羽を生産者から直接仕入れている。
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
すごい弾力があって、うま味があるっていうことをよく言われるんですけど、一番の特徴は脂がおいしいんです。だから、そのガラですごいおいしいダシが取れるんです。これがスープですね、地鶏の
正本健太アナウンサー：
これ全部トリガラと？
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
さっきのお肉のトリガラですね
黄金色に輝くのは媛っこ地鶏のトリガラを野菜と水で煮込んだ地鶏鍋のスープ。
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
これダシだから味はついてないんですけど、塩だけでもものすごいおいしいです
正本健太アナウンサー：
しっかりと味ついてて、何杯でも
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
なるべく野菜を目立たないようにシンプルなものを使用して、お肉の味を引き立てるようにしてますんで
地鶏のおいしさを知り尽くした伝兵衛ならではの地鶏鍋。主役の鶏肉は程よい弾力と食べ応えが楽しめるモモ肉。
正本健太アナウンサー：
媛っこ地鶏、プリプリしてて脂身もおいしそう。まず弾力があります、すごく。かめばかむほど鶏のうま味が口の中にグッと入ってきて、プラス脂身。これがしつこさを感じなくて、さらっと食べられます。見た目はオーソドックスで、レトロ感がありますけど、しっかりとダシもきいていて、これは店でしか食べられない本格派のお鍋ですね
地鶏の伝兵衛・日高康之代表：
家庭で食べる水炊きみたいな感じなんですけど、これは多分うちでしか味わえない味なので、ぜひ皆さんに味わっていただければうれしいなと思います
（テレビ愛媛）
