福岡・春日市で元交際相手の女性を殺害しようとした疑いで、23歳の男が逮捕された。ストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていた男は、なぜ事件を起こしたのか? 同級生からは「気性が荒かった」との声も。事件の背景に迫る。
元交際相手への“殺害未遂”で逮捕
うつむいた状態で車に乗り込む男は、殺人未遂の疑いで逮捕・送検された久留米市の無職・片山敦稀容疑者(23)だ。

事件が起きたのは12月3日の未明。警察によると、片山容疑者は春日市の駐車場で、21歳の元交際相手の女性を刃物で複数回刺すなどして、殺害しようとした疑いが持たれている。
刺された女性は意識不明の重体だったが、現在は命に別条はない。

2人の間には2022年2月以降、複数回トラブルがあり、事件の前日、片山容疑者に対してストーカー規制法に基づく女性へのつきまといの禁止命令が出されていた。
「一言で言うと傲慢なタイプ」
片山容疑者とは、いったいどんな人物なのか。
片山容疑者の中学時代の同級生:
普通の人…、そんな暴力的な感じではなかった。モテてはいなかったんじゃないかな

福岡県南部の町で生まれ育った片山容疑者。中学時代はバスケットボール部に所属する活発な少年だったという。しかし、同級生によると、片山容疑者には傲慢(ごうまん)な一面があり、同級生から敬遠されることもあったと話す。

バスケット部員:
気性が荒かったですね。プレー面でも(チームメイトの)ちょっとしたミスで、キレたりはしてましたね
片山容疑者の中学時代の同級生:
彼は、一言で言ったら傲慢なタイプだった。何事も話すことは上から目線で話されて…。1回1回、イラっとくるような会話。自慢話じゃないですけど、自分をよく見せようとする話し方

高校卒業後は、福岡市内にある医療系の専門学校に進んだあと、被害者となった女性と出会い、交際に発展したという。

2021年春からは、県内にある医療機器メーカーに就職。エンジニアとして働いていたが、2022年2月ごろ、「一身上の都合」を理由に突然退職している。それと時を同じくして、被害者の女性は警察に片山容疑者とのトラブルを相談していた。
その後も、女性や女性の親族から複数回相談を受けた警察は、2022年10月、ストーカー規制法に基づき、片山容疑者に口頭で警告。そして12月2日午後、つきまといの「禁止命令」が出たのだ。

しかし、それから半日もたたない内に事件は起きた。
もみ合いか 容疑者の首や指に傷
江坂透記者:
事件は住宅地の一角で起きました。周辺では鑑識活動が続いています
事件当日の12月3日、片山容疑者は、車を運転して春日市の事件現場に向かったとみられる。被害女性は、刃物で首や上半身を複数箇所刺されて重傷を負った。
警察の調べに対し、片山容疑者は、次のように話している。
片山容疑者:
刺したことは間違いありません
警察によると、片山容疑者の首には刃物による刺し傷があったほか、右手の指にも刃物による切り傷が確認されたという。
警察は、現場で2人がもみ合いになった可能性が高いとみて、当時の状況をくわしく調べている。
(テレビ西日本)