ペットのハレの日をお祝いしようと、「犬の七五三」が企画された。犬の衣装に使われたのは、古い着物や古着。環境に優しい発想で犬と飼い主を笑顔にする取り組みを取材した。

古着が晴れ着に!

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5月、新潟市中央区の呉服店で行われていたのは、七五三で着る犬用の晴れ着を作るための採寸や試着。この日は2匹の犬が飼い主とともに訪れていた。

はに丸くんの飼い主 佐藤淑子さん:
七五三をずっとやりたいなと思っていた。市販で売っている着物とはまた違うし、一点物になるので、すごくできあがりが楽しみ

モクレンくんの飼い主 坂本将之さん:
すごくかわいい子なので、着てくれたらかわいいと思ってお願いした

この犬の七五三を企画したのは、2021年に犬猫専門の呉服店を立ち上げた柏倉佑香さん。その柏倉さんも自宅で犬と猫を飼っている。

和美縁 柏倉佑香さん
和美縁 柏倉佑香さん

和美縁 柏倉佑香さん:
私と主人の間には子どもがいなくて、ペットたちが自分の本当の子どもだと思っている。ぜひ、うちの子にも人の子と同じような七五三をしてあげたいと思った

こうした強い思いから考案したのが、犬の七五三。新潟市内の呉服店に犬用の晴れ着の制作を依頼し、相談しながら進めてきた。

使っている生地にもこだわりがある。

松尾和泉アナウンサー:
犬の晴れ着は、着なくなった着物や古着を再利用して作られています

犬用の着物
犬用の着物

和美縁 柏倉佑香さん:
タンスに眠っているものでも、すばらしい着物がたくさんあると思う。その中で地球環境のことも考えて、わんちゃん・猫ちゃん用にリメイクして晴れ着として楽しんでいただければ

古着をリメイクするアイデアに呉服店は…

和gen 佐藤圭三 代表取締役:
私の記憶の中では、わんちゃん・猫ちゃんに着物を着せようという発想が初めてだったもので、一つそういうアイテムが増えたと思って喜んでいる。眠っていた着物が蘇るというのは、すごくすてき

「千歳菓子」も用意

人間の七五三に近づけるためにこんなことも…

松尾和泉アナウンサー:
こだわっているのは着物だけではありません。七五三をするために、千歳飴ならぬ「千歳菓子」も作りました

千歳菓子のバタークッキー
千歳菓子のバタークッキー

千歳菓子となったバタークッキーを手がけたのは、犬と食べられるお菓子が人気の飲食店・Cake rita(ケークリタ)。

人と犬が一緒に食べられるお菓子
人と犬が一緒に食べられるお菓子

犬の健康に配慮した材料を使うため、成形が難しく完成させるまでは苦労したと言うが…

Cake rita 諸橋陽子さん:
柏倉さんに成功してもらいたいし、話を聞いていても共感が持てる。「手伝えたら」という感じ

「かわいくて、かわいくて」 

そして迎えた、七五三本番の11月26日。

松尾和泉アナウンサー:
写真撮影に臨んでいるのは、晴れ着に身を包んだポメラニアンのはに丸くんです。なんだか、りりしい表情をしているように見えます

着物を着た はに丸くん
着物を着た はに丸くん

新潟市中央区の湊稲荷神社には4匹の犬とその飼い主が七五三のお宮参りと写真撮影に訪れていました。

柏倉さんは参加した犬の写真撮影などを補助。一方、飼い主は愛犬の晴れ姿にメロメロの様子。

モクレンくんの飼い主 坂本将之さん:
天気を心配していたが、晴れてとても楽しく撮影できた。かわいくて、かわいくてしょうがない

モクレンくんと飼い主の坂本さん
モクレンくんと飼い主の坂本さん

写真撮影のあとは、ご褒美の千歳菓子に夢中の様子。

千歳菓子に夢中
千歳菓子に夢中

最後は飼い主とともにご祈祷を受け、健やかな成長と健康を願った。

はに丸くんの飼い主 佐藤淑子さん:
健康祈願と一日でも、一年でも長く、一緒に生活できたらなと思う

はに丸くんと飼い主の佐藤さん
はに丸くんと飼い主の佐藤さん

ペットへのあふれる愛情から企画された犬の七五三。

和美縁 柏倉佑香さん:
新しいものを作り続けなければならない業界もあると思うが、地球環境的にはできるだけ今あるものを再活用する。そして喜んでいただける活動ができればいいなと思っている

飼い主と犬を笑顔にする柏倉さんの取り組みはこれからも続く。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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