沖縄では基地由来と考えられるPFAS=有機フッ素化合物による水汚染が起きている。こうした実態を知るため、県の内外でジャーナリズムを学ぶ学生たちが現場を歩くバスツアーが開かれた。

PFAS汚染の実態を知るため県外大学生が沖縄に

休日の沖縄国際大学に早稲田大学、中央大学など県外の大学と沖国大でジャーナリズムを学ぶ学生たちが集まった。

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マスメディアを研究する日本メディア学会が企画したスタディバスツアー。テーマは沖縄の水に起きている問題、基地由来と考えられる有機フッ素化合物PFAS汚染についてだ。

最初に訪れたのは、宜野湾市喜友名にある湧き水、喜友名泉。
区民が親しんできたチュンナーガーの水からは最大で国の暫定指針値の40倍ものPFASが検出されている。

宜野湾市喜友名に住む与那城千恵美さん:
このチューナーガーの水は昔から私達の先祖、喜友名の人たちがとても大切に、大切に使ってきた水です。

学校の土壌から検出も 様々な誹謗中傷が…

喜友名に生まれて、現在もこの地域で子育てをする与那城千恵美さんだ。

宜野湾市喜友名に住む与那城千恵美さん:
汚染物質が出たって聞いたときにみんなショックで驚いて、じゃあこれからどうしたらいいんだっていう衝撃で、すごい喜友名の人たちはショックを受けています。

娘が通う普天間第二小学校の土壌からもPFASが検出され、子どもを守りたいという一心で声を上げる母親たちに対し、「そこに住む人たちが悪い」など様々な誹謗中傷がこれまで寄せられてきた。

宜野湾市喜友名に住む与那城千恵美さん:
普天間は何もないところにお金のためにみんなが住み始めた。何もなかったところに私達が集まったっていうのは誤りです。
あと「お金をもらっているんだから文句言うな」とか、そういうこともたくさん来ます。実際でも軍用地料で生活をしている、生活ができるぐらいの軍用地料もらっているっていう方は本当にごくわずかな方々です。
いろんな沖縄に対する、誹謗中傷がたくさん来ます。

途方に暮れる母親にはなりたくない、自分でできることは全部やる

与那城さんと同じように、子どもを思い声を上げる母親、仲宗根由美さんもこの日学生たちにこの問題を知ってほしいと駆けつけた。

北谷町に住む仲宗根由美さん:
基地公害が自分の身に起きているっていうふうに私は感じて。もう本当にその日の夜は寝れなくて

北谷町に住む仲宗根由美さん:
母親としては1ナノグラムでも入っていることがもう嫌だったんですね。
まず入っていること自体がおかしいんですよ、入っているべきものじゃないんですね。
子供たちがいる母親として、その不安とか怒りだけを抱いて、途方に暮れるだけの母親にはなりたくないなって思って、自分の中でできることはもう全部やろうと思いました。

早稲田大学 大学院 岡本彩さん:
私は東京都に住んでいるんですけど、やっぱり離れているというか。
他人事というか思っているところがあって。実際こうやってその場に行ってみるとそういう問題って抱えて悩んでいる方がいらっしゃって、そのことを知った私達は一体何ができるかなとか、知った上で何か行動を起こせればいいなと

原因を調査するための基地内への立ち入り調査は今も実現せず

学生たちはこのあと、アメリカ軍キャンプハンセンに隣接する金武町を訪れ、街の歴史について元町長の吉田勝廣さんから話を聞いた。

元金武町長 吉田勝廣さん:
悲しいことにこの金武町で復帰後も米兵に5人が殺されている。復帰後よ。
自分自身が町長のときも様々な事件事故があって。

基地から派生する事件事故に苛まれてきた歴史。さらに、金武町の水道水からも国の暫定目標値を越える値のPFASが検出されているが、原因を調査するための基地内への立ち入りは今も実現していない。

元金武町長 吉田勝廣さん:
地位協定というのがあって中に入れない。
検査してくれない、おかしいでしょ。
基地被害だけだと思っていたら水まで汚染されているんだから。

目の前に広がるアメリカ軍基地を目の前に、話しを聞いた学生たちは…

何が起きているか自分ごととして捉える

中央大学4年 山崎理咲子さん:
日本じゃないみたいというか、日本の中にこういう基地があるっていうところはやっぱり実感できました。
皆さんおっしゃっていたのが、当たり前のその生活を欲しいっていう決して贅沢を言ってるわけではないっていう部分がやっぱり一番ぐっときて。
東京で当たり前に享受しているものを、沖縄の人たちに押し付けてしまっている部分もあるなっていうのはすごく感じました。

ツアーに参加した学生の一人、早稲田大学大学院の河野慧さんは、2023年から沖縄県内の新聞社で働くことが決まっている。

早稲田大学大学院 河野慧さん:
水ってそこに住んでいる人だったら誰でも飲むものだと思うので、沖縄で生まれ育ったっていうところがなくても、自分ごととして捉えやすい問題かなとすごく思ったので、何が起きているかっていうのをしっかり自分の目で見続けていこうって。

早稲田大学大学院 河野慧さん:
県外から来てくれた人にどう伝えるかっていうところは、すごく難しいなって思いつつも、ただ、声に耳を傾けてくれる人がすごく多いので、そこはやっぱり僕自身は希望を持ってるところです。

問題について知ること、そして伝えることの意味にそれぞれが向き合い、学生たちは最後まで、熱心にメモを取りながら切実な声に耳を傾けていた。

記事 861 沖縄テレビ

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