福井でプロバスケットボールリーグへの参入を目指すチームの設立が発表された。参入は2023年を目指す。ただ、上位リーグで長く戦っていくには、試合会場の新設などの困難も待ち受けている。
「バスケで福井を元気に」
福井に生まれた新チームの名前は「福井ブローウィンズ」。「吹く」を意味する英語の「BLOW」と、「風」の「WIND」を合わせたチーム名だ。福井県内に“新しい風”を吹かせたいとの思いが込められている。

日本のプロバスケットボールリーグは「Bリーグ」と呼ばれ、3部体制で運営されている。最上位リーグは全国24チームが参加するB1で、B2(14チーム)、B3(16チーム)と続く。
新チームはまず、プロとアマチュアが混在するB3リーグへの参入を目指す。そして、最短で2025年シーズンにはB1へ昇格する目標を掲げる。

チームは、福井市の通信インフラサービス会社「オールコネクト」を親会社とし、すでにB3参入に向けた1次審査は通過している。2023年5月に結果が出る最終審査をクリアすれば、2023年10月から始まる予定のB3リーグに参入できる見通しだ。

塚本鋼平ゼネラルマネージャー:
B1へ最短で昇格します。バスケで福井を元気にすることも約束します
参入には条件が
例えば、宮城県のB1チームが10月に行った今シーズンのホーム開幕戦。会場を見渡すとぎっしりとサポーターで埋め尽くされている。チームによると、Bリーグ全体の入場者は、コロナ禍前で年間259万人。コロナ禍でも129万人が会場に足を運んだという。

参入に向けては条件があり、ホームタウンの設定、支援団体の保有、ホーム会場を確保するなどがあるが、多くはクリアできる見通しだと話す。
ただホーム会場について、現時点では県営体育館などを見込んでいるが、B1リーグに昇格した場合、2026年以降は5,000席以上の観客席数を要するなどの条件がある。

チームによると現在、県内でこの席数を満たす体育館はない。そこで想定されるのが、福井市中心部に建設が検討されている大型施設「アリーナ」だ。5,000人以上を収容できる想定で、リーグの基準も満たす。
県内の経済界主体で施設を整備
候補地となっている福井市所有の東公園を取材した。
坂本剛史アナウンサー:
住宅地の中ということもあり、とても静かで、駅からのアクセスもいい

東公園の広さは約3万平方メートル。JR福井駅から歩いて10分以内の立地で、県外客もアクセスしやすい環境だ。県内の経済界が主体となって、約75億円をかけて整備する構想で、2026年秋の完成を目指す。

整備や運営の枠組みは検討中だが、新チームの親会社「オールコネクト」の参画が決まっている。
県民の支持を集め、大規模な集客を達成するポイントは、やはり「チームが強い」こと。新チームの発表会見で具体的な予算規模については明言を避けたが、「少なくとも、初年度にB3リーグを勝ち抜く規模は見込んでいる」と意気込む。

これまで、福井のスポーツチームは集客や資金面で苦戦し、リーグからの撤退や解散を余儀なくされたチームもある。「バスケで福井を盛り上げる」の言葉通り、福井に新風を吹き起こせるのか、これからの動きに注目が集まる。
(福井テレビ)