佐賀県の“県鳥”に指定されている「カチガラス(カササギ)」。小柄でカチカチと鳴くかわいい鳥だが、このところ県民の間から「数が減ったのでは」との声が相次いでいる。真相はどうなのだろうか。

この10年で巣が半減か?

サガテレビ・宮原拓也解説主幹が解説する。まずは、基本的なおさらいから。

サガテレビ・宮原拓也解説主幹
サガテレビ・宮原拓也解説主幹
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カチガラスはよく「県の天然記念物」だと間違われるが、違う。天然記念物は“鳥”そのものではなく、主な生息域である県内16の市や町である自治体が「天然記念物」として指定されている。カチガラスはその中で、保護される鳥「保護鳥」という位置づけだ。

「天然記念物」に指定されているのは、主な生息域である県内16の市や町である自治体
「天然記念物」に指定されているのは、主な生息域である県内16の市や町である自治体

また、九州電力が撤去した役目を終えたカチガラスの巣の数を表したグラフ。この10年で半減していることがわかり、県民の懸念もうなずける。

日本野鳥の会・佐賀県支部の宮原明幸支部長は、こうしたデータをもとに次のような予言をしている。

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
カチガラスが減っているという、実感・データはありますか?

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
カチガラスが減ったという実感はあります。私たちは月に何回か探鳥会をやるが、私が始めた30年くらい前はカチガラスは必ずいました。今は見ない日が多い。それくらい減っている

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
佐賀県の文化財課が毎年、営巣が終わったあとに九電が落とすカササギの巣の数を管理している。10年前とことしは、ちょうど「半分」。単純に考えてカチガラスの数は半分に減っているのかなと推測します

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
なぜ、減るんですか?

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
やはり環境の劣化でしょう。それと、カラスが増えている。県庁のお堀とかはカラスだらけ。カラスとカチガラスは、餌がほとんど一緒。その競合の中で負けてしまって、カササギは数を減らす、カラスは増やす。自然の中のことだが、カラスが増えたのは人の影響。今言えるのは、間違いなくカチガラス(カササギ)は減っているし、あと何年かわからないが、いなくなる

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
予測としては、どれくらいで絶滅しますか?

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
私の知識をかき集めた試算では、20年したら1羽もいません

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
カチガラスは、1年のうちに巣は1つではない。2つ3つかけて途中で失敗して放棄したり。その数が、九電が落とした使い終わった巣の中にカウントされていれば、極端な話、2巣がひとつがいで今の数の半分。そう考えると。20年が10年繰り上がる。10年後にはいなくなる

カチガラス「特区」の設置を提案

県は10年ほど前、カチガラスの営巣調査を実施。その結果、佐賀市や神埼市などでは生息密度が下がっているが、周辺部などでは依然、高密度の営巣を行っていた。
ただ懸念の声を受け、あらためて今後、営巣調査などを行う予定だという。

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
対策はどんなことが考えられるのでしょうか?

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
正直言って、野鳥の会がどれだけ頑張ってもカチガラスは守り切れない。これはみんなで意識して動いていかないと。行政が動かないことにはカチガラスは救えない。カチガラスの個体数の多いところを“特区”にしてほしい

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
特区を設けて具体的には何をする?

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
難しいことではない。今、個体数の多いところの農家に県が助成金を出すなどして、農薬を使わない、除草剤を使わない。バランスを崩してしまったカラスを駆除する

日本野鳥の会 佐賀県支部・宮原明幸支部長:
そして、営巣する電柱がだめなら人工的に巣塔を立てる。少しずつでも右肩上がりにしていって特区を何カ所か設けて、そこからまた広げていく。それしかないでしょう。それが成功するかどうかわからないが、やはり佐賀の鳥なので何かアクションを起こさないと

絶滅の危機を乗り越えるためには…

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
私が少年時代を過ごした白石町ではかつて、カラスと言えばカチガラスしかいませんでした。普通のカラスと違って群れないところが好きでした。野鳥の会の宮原さんによると、カチガラスはカラスなどの天敵から攻撃されると、周辺から集まって集団で防衛行動を取るんだそうです。言ってみれば、孤高で男気のある鳥ですね

サガテレビ・宮原拓也解説主幹:
カチガラスの危機をどうするか、まずは県の具体的な調査で個体数の変化を見る必要があるでしょうが、身近な鳥の生息状況について、県民みんなで意識を高める必要がありそうです

実は、サガテレビの「かちかちPress」という番組タイトルの「かちかち」は、カチガラスから取ったもの。

2000年に始まった「かちかちテレビ」から2022年で22年。サガテレビにとっても人ごとではない。

(サガテレビ)

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