佐賀県で、絶滅したと言われていた花が2022年、野外で初めて花を咲かせた。復活させたのは、なんと小学生だ。昔は水田や沼地に多く生息していた、鮮やかな青紫色をした「ミズアオイ」。復活の裏には、ミズアオイに魅せられた、小学生の女の子の努力と情熱があった。

小学生が絶滅危惧種「ミズアオイ」の開花に成功

可愛らしいハート型の葉を持ち、美しい青紫色の花を咲かせる「ミズアオイ」。小さな雄しべの黄色がよく映えて、青紫の鮮やかさを一層引き立てている。

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昔は田んぼのまわりによく生えていたが、農薬や化学肥料などにとても弱く、数が減少。佐賀では県の絶滅危惧種に指定され、絶滅したと言われていた。

しかし2019年、佐賀市内の工事現場で偶然発見された。近くの池に移植されたことをきっかけに保護活動が始まり、2021年には「さが平野の水辺を守る会」も結成された。

前田遥香ちゃん:
(初めて見たとき)自分のとても好きな色だったのでびっくりしたし、「きれい」と思った

小学1年生の時、移植先の池で、ミズアオイを一目見て心を奪われたと話す女の子。今回の復活に一役買った、前田遥香ちゃんだ。

ミズアオイを咲かせた前田遥香ちゃん:
1番は青い花の星みたいなところだけど、このハート型のつるつるした葉っぱが2番目に好き

インターネットで調べたり県外まで勉強しに行ったりして、泥水に浸かりながら熱心に保護活動を続けてきた遥香ちゃん。

ミズアオイは種から芽を出し苗にするまでが難しく、なかなか育たなかったが、2021年、遥香ちゃんを含め、二人が開花に成功。

ミズアオイを咲かせた前田遥香ちゃん:
子どもみたいな感じというか、自分が責任持って育てなきゃなと。暑さが続いた日があったので、そのとき全部だめかなと思ったけど少し残っていたので、ああよかったと思った

活動を始めて4年。まだ自生まではいかないものの、やっと2021年、野外で初めて花が咲いた。

ミズアオイを咲かせた前田遥香ちゃん:
初めて見たときよりもとてもきれいに見えた。こんなにきれいな花が無くなるのは悲しいなと思った。絶対にもっとたくさんにして、お花畑みたいにすると、とてもかわいいかなと思ったので、絶対そこまではしてみたい

(サガテレビ)

サガテレビ
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