炊飯器のタイマー予約が面倒だと思う人にぴったりな最新家電がまもなく登場する。
パナソニック株式会社は、お米と水を自動で計量し遠隔操作で炊飯できる、業界初の「自動計量IH炊飯器」を発表した。

(出典:パナソニック)
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「自動計量IH炊飯器」は無洗米専用の最大2合炊きで、米と水を本体内蔵のそれぞれのタンクにセットしておくことで、外出先でもスマホアプリから炊飯予約が可能だという。
本体サイズは幅17.6×奥行33.6×高さ33.6cmで、米は約2kg(約13.3合)、水は約600mlまでセットしておくことができ、炊飯量は0.5合から2合までとなっている。

つまり、炊きたい分の米を出かける前に水につけておく手間なく、簡単な操作で帰宅時にご飯が炊き上がっている状態にすることができるのだ。

(出典:パナソニック)
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炊飯時間は通常約60分、早炊きは約45分で、本体でできる操作は0.5合刻みの炊飯量調節や「ふつう、早炊き」の選択、炊飯開始とキャンセル。
アプリからは、「おかゆ」などのコース・炊きあがりの硬さ・0.25合刻みの調節・予約・変更・キャンセルが可能になっている。

(出典:パナソニック)
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あえて保温機能はナシ

ただし「いつも炊き立てのおいしさを楽しんでいただきたい」との思いから、保温機能はついていない。ご飯が1時間以内に食べきれない時は、別の容器に入れて冷凍保存し、食べるときは電子レンジで温めなおすことを勧めている。

ちなみに内釜は「おひつ」のようなデザインになっており、炊きたてでも手で持って食卓に出せるという。

(出典:パナソニック)
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「自動計量IH炊飯器」は、限定200台の先行体験プログラムが行われる予定で、「体験価格」は4万6000円。(税込・送料込み)
参加受付は12月25日までで希望者にはアンケートへの協力が求められる。
応募者多数の場合は抽選となり、商品の到着は来年2月下旬以降だという。

主流の5.5合炊きも試作したんですが…

たしかに便利そうだが、おいしく炊く機能はどんなこだわりがあるのか?なぜ一般発売せず、先行体験の希望者を募ることにしたのか?
パナソニックの担当者に聞いてみた。

――「自動計量IH炊飯器」を開発した理由は?

開発の意図は「家電の本質価値である家事低減をお客様へ提供したい」という思いです。今までの予約機能のように家を出る前に米を水につけておく必要がないので、急な予定変更にも対応でき、いつでも最適なおいしさのごはんを焚き上げることが出来ます。想定ユーザーは30代DINKs(子どものいない共働き世帯)を想定していますが本プログラムによってその点も検証していきます。


――おいしく炊く機能のこだわりは?

炊飯に関してはIH方式を採用しています。これは既存製品の技術です。今回の炊飯器開発にも弊社内の炊飯科学のプロであるPanasonic Cooking @labが開発に携わっています。お米、特に今回は無洗米のおいしさを引き出すために炊く・試食を繰り返し、理想の炊飯プログラムを創り上げています。


――開発で苦労した点は?

炊飯器の主流サイズは5.5合炊きです。5.5合炊きで本機種も試作を続けてきましたが、サイズ感や洗米による騒音などの様々な課題があり、開発と断念を繰り返す日々でした。小世帯でターゲットを絞り、2合炊き、無洗米専用、洗米なしなどを割り切った商品仕様を決めていくところが苦労した点です。

(出典:パナソニック)
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新規の生活スタイルの提案となるため先行体験プログラム

――普通の発売ではなく先行体験プログラムを行うのはなぜ?他の製品でも実施する?

昨今くらしに変化が起きている中で、炊飯器市場自体の需要は前年並みの傾向です。その中で市場活性化の為、自動計量&遠隔炊飯という業界初の新たな価値創造を目指しており、新規の生活スタイルの提案となりますので、いち早くお客様・お得意先様に体験いただき、お客様と流通との協働で訴求内容やプロモーションを確かなものにしていくことが必要と判断したためです。

別製品など今後については現在未決定で具体的に申し上げることができません。本プログラムは訴求内容やプロモーションが確立できていない新規カテゴリー商品での採用が出来ればより一層効果的と考えております。


――「自動計量IH炊飯器」を一般発売する計画はある?

2023年度内の一般発売をしたいと思っておりますが、時期や価格は未定です。


――体験プログラムで「保温がほしい」という声が多ければ対応する?

本プログラムでは訴求内容やプロモーションの確立を目的としていますが、今後の製品の開発にも役立てていきます 

(出典:パナソニック)
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「帰宅時間は分からないけど、帰ったらすぐご飯を食べたい!」そんな、これまでの炊飯器では満足できなかった人にとっては嬉しい選択肢になりそうだ。
なお、体験プログラムのあとも返品等は必要なく、引き続き使用できるとのことだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。