次世代の選手たちが競う全日本ジュニアフィギュアスケート選手権が11月25日から行われる。

この全日本ジュニアは、去年も数々のドラマが生まれた。

去年の全日本ジュニアで逆転優勝した三浦佳生
去年の全日本ジュニアで逆転優勝した三浦佳生
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男子はショート7位スタートの三浦佳生が4回転ジャンプを2本決めて、17.05点差から逆転優勝し、キスアンドクライで涙した。

女子はノービス推薦ながら島田麻央が近畿選手権、全日本ノービス、そして全日本ジュニアと3戦連続で4回転トゥループを成功。先輩選手らをおさえて歴史に名を刻んだ。

さらに滑り込みで演技を披露できた選手もいた。三枝(さいぐさ)知香子が、フリーの日と大学受験がかぶってしまい、6分間練習に間に合わない事態が発生。

減点マイナス5点の代わりに3分間の猶予を得ると、なんとか制限時間内に間に合い、リンクに飛び込み拍手喝采を浴びた。その裏にはたくさんのコーチ陣がチームの垣根を越えた協力があった。

Official髭男dism「Subtitle」MVロケ地でもある山新スイミングアリーナ
Official髭男dism「Subtitle」MVロケ地でもある山新スイミングアリーナ

今年の舞台は茨城県ひたちなか市の山新スイミングアリーナ。

現在放送中の木曜劇場「silent」(フジテレビ系)の主題歌として書き下ろされたOfficial髭男dismの「Subtitle」のミュージックビデオのロケ地でもある会場。

今年はどんなドラマが生まれるのか
今年はどんなドラマが生まれるのか

スケーターの少女と父親の関係性を描いた作品が生まれたこの地で、今年はどんなドラマが生まれるのだろうか。

女子、男子、アイスダンス、ペアと全日本ジュニアの注目選手を見ていく。

シーズンベスト200点超が3人の激戦女子

女子は30名がエントリーし、上位8名が12月の全日本選手権へ推薦される見込みだ。

中でもシーズンベスト200点超えが3人もいるため、ハイレベルな戦いが予想される。

全日本ジュニア出場選手のシーズンベスト<女子>
(1)島田麻央 217.68点(ジュニアGP第5戦ポーランド大会)
(2)中井亜美 205.90点(ジュニアGP第6戦ポーランド大会)
(3)千葉百音 205.82点(ジュニアGP第5戦ポーランド大会)
(4)柴山歩 188.39点(ジュニアGP第1戦フランス大会)
(5)奥野友莉菜 173.66点(東日本選手権)
(6)髙木謠 168.71点(東日本選手権)

大技の同時成功に挑む島田麻央
大技の同時成功に挑む島田麻央

ジュニアGPで2戦連続優勝、西日本選手権でも貫録の優勝を果たした島田麻央は、フリーに組み込んだ4回転トゥループとトリプルアクセルの同時成功で連覇を狙う。

この大技をプログラムに組み込み、成功させたのは日本女子ではまだ誰もいない。

トリプルアクセルが武器の中井亜美
トリプルアクセルが武器の中井亜美

東日本選手権で優勝した中井亜美の武器は、精度が増したトリプルアクセルだ。優勝したジュニアGPポーランド大会では出来栄え点2.06点の加点がついた。

中井は「トリプルアクセルを2本組み込んだ構成で挑めたらいいな」と全日本ジュニアに向けて意気込みを語っている。

洗練されたプログラムで勝負する千葉百音
洗練されたプログラムで勝負する千葉百音

伸びやかな滑りにより一層磨きがかかっているのは、千葉百音。大技の挑戦はせず、洗練されたプログラムで勝負に出る。フリーへのコンディション調整がカギになる。

さらに演技に安定感があり総合力の高さに定評がある柴山歩、日本ジュニアトップクラスのスケーティングを誇る奥野友莉菜、東日本で確かな手ごたえを感じた髙木謠など上位争いは激しさを増す。

誰が勝っても初優勝の男子

29名がエントリーした男子も、女子と同じく上位8名が全日本選手権へ推薦される見込みだ。

男子は誰が勝ったとしても、全日本ジュニア初優勝となる。

ジュニアGPファイナルに出場を決めているジュニア最終年の片伊勢武アミン、吉岡希。

そして、爆発力を秘める中村俊介に、ジュニア1年目の中田璃士が食らいつく構図になりそうだ。

全日本ジュニア出場選手のシーズンベスト<男子>
(1)片伊勢武アミン 合計234.24点(ジュニアGP第6戦ポーランド大会)
(2)吉岡希 合計219.68点(ジュニアGP第2戦チェコ大会)
(3)中村俊介 合計219.65点(ジュニアGP第1戦フランス大会)
(4)中田璃士 合計200.41点(ジュニアGP第6戦ポーランド大会)
(5)朝賀俊太朗 合計196.14点(西日本選手権)
(6)垣内珀琉 合計191.04点(西日本選手権)

片伊勢武アミンは個性や魅力を出したプログラムで勝負する
片伊勢武アミンは個性や魅力を出したプログラムで勝負する

片伊勢武アミンはジュニア最終年で初めてジュニアGPシリーズに派遣され、2戦ともに表彰台に上った。

優勝したポーランド大会で叩き出した234.24点は今シーズンのジュニア最高得点だ(JGPシリーズ終了時点)。片伊勢は、4回転の挑戦はせず、他と違う個性や魅力を出したプログラム全体で勝負する。

日本ジュニア男子の中では最高の構成で挑む吉岡希
日本ジュニア男子の中では最高の構成で挑む吉岡希

去年の全日本ジュニア3位で、今大会はシードとして出場する吉岡希は、今季ジュニアラストイヤーとなる。

ジュニアGPチェコ大会で優勝し、フリーでは4回転トゥループ2本、うち1本を後半に組み込むという日本ジュニア男子の中では最高の構成で挑む。

強い目力と華のある演技で世界の大会でも高評価を受けた中村俊介。今年2月の試合では4回転トゥループを初成功させた。4回転ジャンプを2本組み込んだ構成で優勝を狙う。

去年のリベンジを誓う中田璃士
去年のリベンジを誓う中田璃士

ジュニア1年目中田璃士(りお)は、安定感が増した高さとキレのあるトリプルアクセルが武器だ。去年の全日本ジュニアではフリーでジャンプのミスが相次ぎ23位。

総合で17位に沈み、演技後にインタビューを受けられないほど涙を流していた。今年はそのリベンジを誓うと意気込んでいる。

西日本選手権でジュニアGPシリーズに出場した実力者たちを抑え、初優勝を飾った朝賀俊太朗、2大会連続で4回転トゥループを決めた垣内珀琉(はる)らも上位争いに絡んでくることが予想される。

ペア・村上遥奈は“二刀流”出場

アイスダンスには4組がエントリーしている。

注目は、來田奈央・森田真沙也組だ。

世界ジュニアを経験したアイスダンスの“きだもり”カップル
世界ジュニアを経験したアイスダンスの“きだもり”カップル

昨シーズンの全日本ジュニアで優勝し、世界ジュニアを経験した2人。今季ジュニアGPシリーズで日本のチームとしては初めて表彰台に登る快挙を達成した。

パフォーマンスがスケールアップし、西日本選手権ではガッツポーズも飛び出す、会心の出来で初めてフリーダンスで90点台を突破。連覇を狙う“きだもり”カップルに目が離せない。

ペアは1組がエントリー。

結成1年目の“はるすみ”ペア
結成1年目の“はるすみ”ペア

結成1年目の村上遥奈・森口澄士組はジュニアGPポーランド大会で表彰台に上るなど成長著しい“はるすみ”ペアだ。国内デビュー戦となった東日本選手権で自己ベスト更新。

フリーではペアのトップ選手でも組み込むことのない大技3連続ジャンプを成功させた。

村上遥奈はシングル競技にも出場
村上遥奈はシングル競技にも出場

村上は今大会にシングル競技でも出場するため二刀流となる。ペアフリー演技後約30分後には女子ショートの競技がスタートする。

滑走順抽選次第ではあるが、村上にとってはかなりハードスケジュールになりそうだ。

全日本ジュニアで上位に食い込めば、その先の全日本選手権の切符を掴むことができる。その夢舞台に進めるのはどんな選手か、目が離せない。

全日本ジュニアスケート選手権
11月27日(日) 午後6時~午後7時55分 BSフジ
12月3日(土)  深夜2時30分~4時40分 フジテレビにて放送

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html