11月25日から開幕する全日本ジュニアフィギュアスケート選手権。

ジュニア1年目にして、初の全日本選手権を目論む14歳がいる。

女子は去年全日本ノービス選手権で優勝し、今年ジュニアデビューした島田麻央。そして男子は、島田と同じく、今シーズンジュニアデビューを果たした中学2年生の中田璃士(りお)だ。

中田の今季の活躍ぶりと去年のリベンジを誓う、全日本ジュニアへの思いに迫る。

“シン”時代のスター候補、中田璃士

2022年、北京オリンピックで盛り上がりを見せたフィギュアスケート界。

オリンピック2連覇を果たしたレジェンド・羽生結弦がプロ転向を決めるなど一つの時代を終えた。

そして、到来したのは「シン・フィギュア」時代。

去年のメダリストオンアイスで羽生結弦と
去年のメダリストオンアイスで羽生結弦と
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その“シン”時代に名を連ねるのが、中田だ。

憧れの選手は、宇野昌磨と鍵山優真。「宇野選手はいろんな試合で挑戦するとところに憧れています。鍵山選手は一つ一つの滑りがすごく遠くにいくのでマネして目指しています」と語る。

今年から南船橋にあるMFアカデミーに拠点を移した中田は、豪快なジャンプと勢いのあるスケーティングが特徴。

コーチの父は元フィギュアスケート選手の中田誠人さん、母はイギリスのウェールズ出身。彼の天性の表現力は目を見張るものがある。

2019年からノービスで3連覇を達成し、当時の羽生結弦・宇野昌磨らと並ぶ100点超えで優勝するなど、フィギュアスケート界のスター候補だ。

去年の全日本ジュニアで悔しさのあまり涙を流す中田璃士
去年の全日本ジュニアで悔しさのあまり涙を流す中田璃士

去年、推薦出場した全日本ジュニアではショートを10位と最高のスタートを切った。

しかし、目標の総合10位以内を目指したフリーはジャンプのミスが相次ぎ23位。総合で17位に沈み、インタビューを受けられないほどのショックを受け、泣き崩れてしまった。

初の海外試合でプレッシャーを感じつつも表彰台に

そして今シーズン、中田はジュニア1年目を迎えた。

7月の全日本ジュニア合宿では、安定感が増したトリプルアクセルに加え、4回転サルコウを練習する姿も見受けられた。

ジュニア合宿に参加した中田璃士
ジュニア合宿に参加した中田璃士

4回転サルコウと4回転トゥループを練習中の中田は、2週間に一回くらい着氷できているという。

ノービスで3年連続の日本一に輝いた有望株の一人である中田は、初めての海外試合となるジュニアGPシリーズに向けて「いろいろな人に見てもらって『この人の演技がすごかったな』と思われる演技をしたいです」と意気込んだ。

迎えた初の海外試合、中田はジュニアGPシリーズ第3戦ラトビア大会で2位となり表彰台に上る。

最高のスタートを切った中田は、この経験と収穫をこう振り返った。

「ジュニアグランプリに出ている選手は、みんなすごく上手くて、すごく刺激になった。僕はずっとフリーだけだったので、今回ショートとフリーをやる中、みんなすごくいい点数を出してくるので、プレッシャーがあった。メダルがかかったり、ファイナルがかかる中でのプレッシャーもあったんですけど、今度はその“プレッシャー活かして頑張りたい”っていうのが収穫になりました」 

そんなプレッシャーを感じた中でも表彰台に上った気持ちを「試合で初めてショート・フリーでアクセルを決められてすごく嬉しかったし、それでメダルも取れたのですごく嬉しかったです」と国際大会で手応えを感じたようだ。

リベンジ誓う全日本ジュニア、目指すのは表彰台

久しぶりの国内大会となった11月上旬の東日本選手権では、痛めてしまったという腰を押さえながらも、ショートでは高さとキレのあるトリプルアクセルを完璧に決め、ガッツポーズを見せた。

後半のジャンプにミスが出るが、唯一の70点台となる70.05点を記録し、2位に7.78点差をつけてショート首位に立った。

腰が痛い中でもやり抜けた自分に対して中田は「少しほっとしているんですけど腰が…。上手な選手はケガでも試合を1回くらいはしたことあると思うので、ケガをしていてもいい演技ができるように頑張りたいです」とこれも経験の一つと捉えていた。

東日本選手権を初優勝した中田璃士
東日本選手権を初優勝した中田璃士

迎えたフリーでは、ジャンプのミスもあり「納得できない演技だった」と振り返ったが、117.65点とフリーもトップの成績で東日本初優勝を果たした。

演技後には今練習したいところについて「諦めないこと。いつも曲かけとか1つ失敗しちゃったりすると少し気持ちが下がっちゃって。でも1つのミスでも勝てる時があるので、1つミスをしても全部まとめられるように頑張りたいと思います」と話す。

今回の全日本ジュニアは「自己ベストを更新し、3位以内に入ること」が目標だという中田。

目標を達成すれば、全日本選手権の出場も見えてくる。

2021年の全日本ジュニア
2021年の全日本ジュニア

その全日本ジュニアに向けては「去年の全日本ジュニアではショートがよくて、少し気持ちがハッピーな状態でフリーに挑んだらミスが多く、人生で初めてあんなにたくさんミスをして、モチベーションが下がっちゃって。でも今年は、そうならないようにたくさん練習してきたのでもっと練習していい演技したいです」と意欲を見せる。

去年の自分と違うところは「ジャンプの質」を挙げた中田。

「1年前はジャンプ降りた後に滑っていなかったり、手が変な場所にあったりしていて、いいジャンプの質ではなかった。でも、MFアカデミーに行ってから中庭(健介)先生がいろいろと教えてくれたおかげで、きれいに跳べてジャンプの質が上がったり、確率も上がっていていい感じだと思います」と語る。

悔し涙の全日本ジュニアから1年。中田は雪辱を晴らすために最高の演技を誓う。

全日本ジュニアスケート選手権
11月27日(日) 午後6時~午後7時55分 BSフジ
12月3日(土)  深夜2時30分~4時40分 フジテレビにて放送

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html