3年前、新型コロナウイルスが広がる前の年末。「帰省ラッシュ始まる」というニュースが伝えられる頃の話です。

乗車していた新幹線の車内アナウンスで流れてきたのが、「のぞみ○○号の指定席は、満席をいただいております」

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「まんせきをいただく」・・・?違和感が・・・。

よく聞く車内アナウンスは「きょうの指定席は、ご予約で満席です」ですよね。もちろん、言いたいことはわかるんですが、随分、言葉をはしょってますね。

あのかけ声の変化系?

「何か、この感じ、これまでにも聞いたことがある」と考えて思いあたったのが、若い店員さんたちがいる、居酒屋でのかけ声です。

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「2名さま、ご新規いただきました」、「唐揚げいただきました」とか。

これは「2名のお客さま、新規に入店いただきました」「唐揚げの注文をいただきました」を、短く略したのでしょう。元気な明るい雰囲気と、文章を短くすることによる歯切れの良さが好まれるのでしょうね。

その後は、この車内アナウンスは聞いていませんが、お正月やお盆に「ふるさとや観光地に出かける家族連れなどで、交通機関が混雑のピークを迎えました」とのニュースが流れるようになれば、また、耳にすることもあるのでしょうか?あまり、定番化はしてほしくないですが。

それって、どんな感じ?何のかたち?

一方で、短く言い切れるのに、あえて文章を長くする言い方も広がっています。

最近、インタビューなどで、良く耳にするのが、「○○の感じです」。

「夜中、パチパチという音がしたので、窓から、外を見たら、向かいのマンションから炎が見えた感じです」

「炎が見えました」じゃダメなんでしょうか。

また、こういう言い方も良く聞きます。

「子供たちのアイデアで、夏休みに作ったというかたちです」

「作りました」でいいのに・・・。

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きっぱりと言い切るのを嫌い、語尾に「感じ」や「かたち」などを付けるのが癖になっているんでしょうね。この表現は、老若男女を問わず、広がっているように感じます。

かくいう私も、文章を書くときに、ついつい、「○○です」と言い切らず、「○○と思います」を多用してしまいます。今回は「思います」を使わないで書いてみました。

【執筆:フジテレビ 解説委員 田村浩子】

記事 4 田村 浩子

フジテレビ報道局解説委員 社会部・司法担当キャップ、デスク。ウィークエンド編集長などを経て現職。