デジタル技術を活用して仕事のやり方を抜本的に変革することを「DX = デジタルトランスフォーメーション」という。福井県内にある調剤薬局がDXを導入し、仕事の効率化に成功した。福井は10万人当たりの薬剤師の数が全国で下から2番目で、恒常的に薬剤師が不足している。薬局を救ったDXの秘密を探った。

作業時間わずか1分で機械が薬を選択

福井市の福井厚生病院の横にある「ひまわり調剤薬局」には、1日平均で約130人の患者が訪れる。

薬の棚がずらり
薬の棚がずらり
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佐々木菜諸記者:
ずらっと並んだ薬の棚。これまでは薬剤師が1つ1つ薬を選んで取り出していました。今その作業を行っているのは、なんと機械です

導入された薬剤自動ピッキング装置
導入された薬剤自動ピッキング装置

この機械は2022年1月、公益財団法人「ふくい産業支援センター」(坂井市)の補助を受けて導入した。1,200を超える棚から薬を自動で選び取り出す機械で、県内での導入は初めて。全国でも20台目だという。

この薬局では、薬を選ぶ作業は1日に約300回にのぼり、その作業を薬剤師4人が行ってきた。機械を導入したことで薬剤師が1人で業務をこなせるようになり、作業時間をわずか1分に短縮できた。これまでは7~8分かかっていたので、8分の1ほどに短縮できたという。

福井の薬剤師の数は全国ワースト2位

導入の背景には、地方で薬剤師が慢性的に不足している現状がある。

薬局・医療施設で働く人口10万人あたりの薬剤師
薬局・医療施設で働く人口10万人あたりの薬剤師

管理薬剤師 髙畠栄一さん:
福井の薬剤師は人口10万人あたりで比べると、東京の半分ほどしかいない

薬局と医療施設で働く人口10万人あたりの薬剤師の数をみると、最も少ないのは沖縄で、福井は全国ワースト2位だ。

この薬局で扱う薬は約2,000種類で、薬剤師5人で薬を調合している。ただ新型コロナウイルスの影響で、検査や解熱剤の配送などの仕事が加わり、薬剤師の仕事量は以前に比べて大幅に増えたという。

管理薬剤師 髙畠栄一さん:
仕事の約6割は薬を集める作業。今までは色んな棚から集めていたが、それが1カ所でできるようになり、時間を非常に短縮することができた。患者の待ち時間の短縮にもつながっている

ひまわり調剤薬局では今後も、待ち時間の短縮効果などが期待される「電子処方箋」やインターネット上で健康状態などを管理する「オンラインカルテ」といったDX化を進める計画だ。「作業の効率を高めて在宅医療や地域医療により、力を入れていきたい」と話している。

(福井テレビ)