コロナ禍で開催が難しかった文化祭や体育祭などの学校行事も徐々に再開しつつある。

11月20日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)は、スポーツ名門校の体育祭に密着。全国レベルの部活が競うリレー対決や熱狂パフォーマンスなどを特集した。

ゲストは、体育界を代表する3きょうだいで和歌山北高校体操部出身の長男・田中和仁さん、長女・田中理恵さん、次男・田中佑典選手、バスケットボール名門校・桜花学園出身の馬瓜エブリン選手、サッカー名門校・四日市中央工業高校出身の坪井慶介さん、東福岡高校柔道部出身の佐々木健介さん、大阪の名門・興國高校レスリング部出身のスペル・デルフィン選手、野球の名門校・済美高校出身のティモンディ・前田裕太さんと高岸宏行さんら。

東福岡高校、大熱狂の「部活対抗リレー」

九州を代表するスポーツ名門校・東福岡高等学校。

W杯4大大会連続出場する長友佑都選手を輩出したサッカー部、全国高校ラグビー6回の優勝を誇るラグビー部、プロレス界のレジェンド・佐々木さんを輩出した柔道部など、ほとんどの部活動が全国トップクラス。

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新型コロナウイルスの影響もあり、3年ぶりに体育祭が開催された。

付属の中学校と合わせて約2500名が参加する男だらけのイベント。宅配業者のように段ボールをバトン代わりにリレーする「宅配リレー」は、「コロナ禍でウーバーイーツなどが流行ったことで編み出された」という。

最注目競技は、全国に誇る部活動が実力をアピールする「部活対抗リレー」。

順位を競わず、部の魅力をアピールする「パフォーマンス部門」と脚力を競う部門があり、後者には大注目の陸上競技部がいる。アンカーには、今年インターハイ男子400メートル優勝の猛者も。

宿命のライバル関係にあるサッカー部とラグビー部は、バチバチと火花を散らし、異様な盛り上がりを見せていた。

しかし、ハプニングはつきもので、サッカー部がバトンを落としてしまったり、悪天候でグラウンドのコンディションが悪く、陸上部が転倒しまうなど予想外の展開に。結果は1位野球部、2位ラグビー部、3位陸上部でサッカー部は6位だった。

ゴール後すぐ各部活の部員たちがグラウンドになだれ込み、ランナーを称え合う映像に、馬瓜選手は「私だったらあの中で一番盛り上がれる自信がある」と笑う。

理恵さんは「めちゃくちゃ面白くて、“青春やなー”って感じ」と男子たちの盛り上がりを羨ましそうにした。

サッカー部対ユースが競う「対抗リレー」

W杯日本代表の南野拓実選手やスコットランドの名門・セルティックで活躍する古橋亨梧選手、レスリング部に所属したプロレスラーのスペル・デルフィン選手ら数多くのプロアスリートを輩出する、大阪・興國高校。

“関西のバルセロナ”とも呼ばれる約300人いるサッカー部の最大のライバルは、Jリーグ・セレッソ大阪のユース選手たち。生徒として受け入れ、彼らは授業後にクラブの施設で練習している。

同学年ながら南野選手はセレッソユース、古橋選手はサッカー部とライバル関係にあったという2人。

古橋選手は「意識していないって言ったら嘘ですけど、負けたくない感じは出ていました」と振り返る。

体育祭は京セラドーム大阪で行われ、約2400人の全校生徒が参加。

しかも、約200人いる先生たちが円陣を組み、生徒以上の気合いで雄叫びを響き渡らせる。

この体育祭で欠かせないのが、伝統の「エッサッサ」とサッカー部とセレッソユースや強豪の部活動が競い合う「部活対抗リレー」。

上半身裸になり、3年生が感謝の思いを込めて披露する「エッサッサ」を、古橋選手は「1年のときは『なにこれ』みたいに思っていたけど、3年では気持ちが入って、何百人の中の一人ですけど、全力でやって1年に響けばいいなと思いを込めていた。僕が3年のときの1年に響いていたら良いな」と語った。

京セラドームでの開催にジャニーズWEST・重岡大毅さんは「僕ら京セラに立つのに10年かかりましたから。やっと立てましたから」と羨ましがっていた。

済美高校の部活動対抗リレーは男女一緒に行うため、「普段の環境ではないので、ちょっと浮足立っちゃう。それでニヤついたら、その日の練習がとんでもないことになる」と震える前田さん。

高岸さんは「女子と話すのが部のルールとして良くない」ため、話しているのが見つかったら、学校の屋上にある“特別な部屋”に連れて行かれると明かした。

体操の田中3きょうだいを生んだ和歌山北高校には、理恵さんが「命かけるくらい。体操以上に真剣に全力で。夏の3カ月を練習していた」と語る「スタンツ」という集団芸術演劇が体育祭の中でも盛り上がるという。

スポーツ科の生徒らの種目のようで、和仁さんや佑典選手は「僕らは普通科だったので」と経験はないと明かす。

MCの浜田雅功さんが「なんでスポーツ科じゃないの?」と聞くと、2人は「練習以外でケガをしたくなかった」と話した。

入部後の洗礼、地獄の部活動の思い出

W杯カタール大会で日の丸を背負う浅野拓磨選手や2006年W杯ドイツ大会に出場した坪井慶介さんの母校・三重県立四日市中央工業高校。

インターハイ常連の水球部、柔道部や工業高校らしく全国日本ロボット相撲大会で準優勝のロボット研究部もある。

坪井さんらを輩出したサッカー部には、早朝から行う伝統の練習があるという。それは、早朝読書。月に2回、約100人の部員が机に向かい、監督やコーチが選んだ本を読んで感想文を書くトレーニングをしているという。

「入部後1カ月はあいさつのみの練習だった」と明かすのはティモンディ。

前田さんは「入部したら河川敷に1年生が並んで、あいさつの返事をし続ける」と話し、「アァアイ!」という独特な「はい」という返事を高岸さんが披露。

この練習を積むことで、前田さんは「2、3年生が何を言っているのか聞き取れるようになってきた」と振り返った。

入部後の過酷な練習は坪井さんもあったようで、「入部後3カ月はほぼ登山家だった」と明かす。

「新入生のグループが3カ月間、学校の裏にある山を走るんです。何キロ走れとか何分走れとか決まってなくて、先輩やコーチが終わりと言ったら終わり。とにかくキツかった」と坪井さん。

「風ダメ水ダメトイレダメ」といったルールがあったというのは、柔道部の佐々木さん。

「柔道場は夏暑くて冬は寒い。その暑さに負けない体をつくるために夏も窓を閉めて練習。精神的に追い込むため水を飲まない。トイレに行ったら水飲んでくるやつがいて、ダメになった」と話した。

しかし時代も変わり、現在の東福岡高校柔道部は道場も冷暖房完備で、壁はにおいがつきにくい特殊な素材を使用し、冷蔵庫や製氷機も完備されている。

この事実に佐々木さんは「羨ましすぎます!戻りたい…」と肩を落とした。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)