鳥インフルエンザの検出で57羽が殺処分された和歌山県のアドベンチャーワールドで、新たに、モモイロペリカン1羽からも鳥インフルエンザが検出された。

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 鳥インフルエンザの検出で休園が続いている、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールド。ことの発端は11月11日、施設内で死んでいたアヒル6羽から、致死性の高い鳥インフルエンザ「H5亜型」の遺伝子が検出されたことだった。

 園内で飼育されているエミューやダチョウなど、計57羽も殺処分された。法律で殺処分の対象となる“家きん類”にあたるためだ。

そして、11月15日。法律では殺処分の対象とされず経過観察となっていたモモイロペリカン1羽から、「H5亜型」の遺伝子が検出されたことが新たに分かった。

 和歌山県などによると、他の4羽にも衰弱などの症状が見られたため遺伝子検査を行っているが、感染拡大防止の観点から、5羽ともすでに安楽死させたということだ。園内では他に14羽を飼育しているが、15日から屋内の施設で隔離している。

 ペリカンと同様に経過観察となっていたペンギンやフラミンゴについては、現時点で異常は確認されていない。

 長引く休園に、周囲では心配の声が聞かれた。

東京から来た修学旅行生:
行きたかったです。パンダとかカバとか見たかった。ペリカンもかわいそう。(鳥インフルエンザは)広がるのが速いのかな

ホテルシーモア 松平哲也 営業部次長:
アドベンチャーワールドに行かれる目的のお客さまが多数いらっしゃいましたので、日程変更の依頼であったり、キャンセルであったりという連絡は絶えずあります。旅行需要も全国旅行割支援を受けて広まってきている段階なので、一刻も早い開園を待ち望んでいます」

■全国で相次ぐ鳥インフルエンザ

 今、全国で相次いで鳥インフルエンザが確認されている。

 岡山県倉敷市では、10月末から養鶏場で鳥インフルエンザが相次いで確認され、50万羽以上が殺処分された。

 また関西でも、兵庫県たつの市の養鶏場で確認され、13日から4万4000羽の殺処分が行われた。国は異例のペースで広がっているとして、警戒を呼び掛けている。

 他の動物園にも影響が広がっていて、「神戸どうぶつ王国」や「神戸市立王子動物公園」では、鳥類とのふれあいやイベントを中止している。関西テレビの神崎デスクは、動物園での感染を食い止めることの難しさを指摘する。

関西テレビ 神崎デスク:
 ニワトリの鶏舎などは屋内なので、鳥インフルエンザがはやりだすと、外から侵入しないようにガードを固めることができるんですが、動物園はオープンなところが多いので、野鳥が飛んできて感染する。感染力が非常に強いので、一羽が感染するとグループ全体が殺処分になってしまう

 鳥インフルエンザの感染拡大は、私たちの生活にも影響を与える。ニワトリの殺処分数が増えると、卵の流通量が減り、結果、値段が上がってしまうのだ。

 鳥インフルエンザ流行の影響で、2021年は上半期、2022年は現在、卵の価格が高騰しています。業界関係者によると、鳥インフルエンザでの供給減とクリスマス需要で、卵の価格は今後さらに上がる恐れがあるということです。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年11月15日放送)

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