自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。

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「お片付けをしなかった4歳娘に『遊んだら片付けるんだよ!』と強めに怒ったらニヤニヤしたあと『あははー!』と爆笑。『笑いごとじゃない!』とさらに叱ってしまった…」

叱られてシュン…とするかと思いきや、なぜか笑ってしまう子どもたち。パパママから見ると「真面目に聞いてないの!?」とさらにイライラしてしまうところだけれど…
ネット上には「どうしたらいいかわからないとき子どもは笑っちゃう」「パパママに笑ってほしくて自分がまず笑っちゃうのかも」という意見も。

怒られているのに笑っちゃう理由について、育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。

子ども側も気持ち的に余裕がないことの方が多い

――「叱られて笑ってしまう」というのは、子どもによくあること? 

頻繁ではありませんが、中にはそういうお子さんもいます。どの子もやるかというとそうではないと思います。 

親に怒られたときにどう対応するかは、その子なりのパターンがあります。たとえば、Aちゃんは、叱られるととぼけたり、無視することが多い、Bちゃんは言うことをちゃんと聞いて行動に起こす、Cちゃんは猛烈に歯向かう、Dちゃんは問い詰められるとへらへらと笑って対応する、などです。

もちろん、絶対にその型しかとらないわけではなく、その時の状況や親のアプローチの仕方によっても変わりますが、ある程度パターン化されていることが多いのです。困ったときの対処法のひとつとして、笑って対処するというレパートリーを持っていれば、とっさのときにそういう対応をしてしまうことがあるでしょう。 


――どうして「笑う」という反応になっちゃうの?


親の方は、叱った際に、もし子どもに笑われると「ヘラヘラしている!反省の色がない」と思えるので、イラっとして余計にヒートアップしてしまうものです。しかし、子どもの方は、親をバカにしているとか、からかってヘラヘラしているわけではなく、子ども側も気持ち的に余裕がないことの方が多いと思います。

ママ・パパに詰め寄られ、どうしていいかわからなくて、とっさに出た苦し紛れの対応という場合もあるでしょうし、日頃のコミュニケーションから、にこにこしている顔はいい形でインプットされているものなので、自分が笑えば状況が変わるのではという期待もあるかもしれません。 

また、これらとは異なり、叱られることがその子の喜びにつながる場合にも起こることがあるかもしれません。親からすると、叱られて嬉しいなんてはずがないと思えるのですが、子どもの中には、叱られることがイヤではない子もいるのです。 

これは親子間のコミュニケーションが不足している場合に起こります。親と関われるチャンスが乏しいと、確実に自分の方を向いてくれる手段として、問題を起こすわけです。

「ママ見て」「パパ来て」と言ってもかまってもらえないけれど、何か困ったことをすれば、すぐに親の注意を引ける。そうであれば、叱られることが、その子にとって“いいこと”としてインプットされていきます。そこで笑いがこぼれるほどまでいくかはわかりませんが、原理としては起こり得ます。 


――「笑っちゃう」こと自体をさらに叱ってもいいの?パパママはどんな対応をしてあげるべき?

苦し紛れに笑ってしまった場合、笑ったこと自体を注意しても改善することはあまり期待できないように思います。というのも、その場の空気に威圧されてそうなっていることが考えられるからです。よって、起こってしまったことはあえて流し、根本的な叱り方の見直しをする方が大事だと思われます。 

強く叱るときに起こりがちというのであれば、きっとそこが要因です。たとえば、大きな声で怒鳴ったり、逃げ場がないほどに理詰めしたり、感情的に叱ったり……。子どもたちは同じようなことを毎回繰り返すため、つい感情的に叱ってしまうのですが、子どもに圧力をかけて言うことを聞かせても、学べるのは「怖いからやろう」という程度のもの。
親が教えていきたいことを適切に学んでもらうためにも、目の前の困りごとに淡々と向き合う形の叱り方に切り替えることをおすすめします。 

お片づけであれば、“出したところに戻すこと”がその“淡々と向き合うこと”になります。「この本はこの本棚」「このブロックはこの箱」など具体的な手順を言ったり、「ママも今なら一緒にやってあげられるよ」と付き合ったり。根気のいる地味な声かけですが、怒鳴って→笑われて→逆なでされて…という展開とは異なり、論点が脱線しない分、お片づけ自体の学びは進むと思います。 

また、まれではありますが、叱られることが嬉しくて笑ってしまうというパターンに陥っている場合は、日頃のコミュニケーションの見直しから始めていく必要があります。具体的には、子どもが困りごとを起こしていない時間を、親子で大事に過ごしていくことがポイントです。それにより、子どもに、「注意引き行動をしなくても、パパ・ママは自分のことをちゃんと見てくれている」という認識が芽生えると、自然と整っていくはずです。 

親に叱られたときの反応は、実は子どもたちひとりひとりで違うもの。素直に反省したり、黙ってしまったり、言い返したり…そんな中のひとつとして「笑ってしまう」という反応があるそう。

そしてこの反応、決して100%「怒られていることを真面目に受け止めていない」ということではなく、どうしたらいいかわからず苦し紛れで笑ってしまう・場を和ませたくてニコニコしてみちゃう…など、理由も様々。もし子どもたちから「笑う」という反応が返ってきた場合、叱り方自体を見直してみるのも一つの手だ。

「もー、真面目に聞きなさい!」とさらに怒ってしまう前に、いつもと違う注意の仕方を試してみるなど、子どもたちとのコミュニケーションを見直す機会ととらえてみてもいいかもしれない。

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※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)