日本に配備されたアメリカ軍の無人機が偵察任務で撮影した映像が、初めて日本側にリアルタイムで共有されることがFNNの取材でわかった。
鹿児島県の海上自衛隊・鹿屋航空基地に配備された、アメリカ軍の無人偵察機MQー9がカメラで撮影した映像が、アメリカ軍に送信するのと同時に日本側にもリアルタイムで提供される。
東京の在日アメリカ軍横田基地に新設されたMQー9のオペレーションルームに自衛隊のスタッフも常駐し、映像をアメリカ軍スタッフと共同で分析していくことになる。
これまでアメリカ軍の無人機が撮影した映像などは、一部加工してから日本側に提供されており、映像がリアルタイムで日本側に共有されるのは、今回が初めてだ。
日本列島周辺では、中国とロシアの海軍の艦艇や空軍機がたびたび共同行動をとっている。中国軍の無人機が、台湾周辺から南西諸島周辺の日本の防空識別圏に侵入して、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進するケースも頻発していて、MQー9はこうした事態にも対処することになる。
MQー9が得た情報を日米がリアルタイムで共有するに至った背景には、中国、ロシアなどによる挑発行動に、アメリカ軍単独では追いつかない現実があるとみられる。
年末に向けて改定を目指す防衛3文書には、こうしたアメリカ軍との連携強化策が盛り込まれる見通しだ。