日本に配備されたアメリカ軍の無人機が偵察任務で撮影した映像が、初めて日本側にリアルタイムで共有されることがFNNの取材でわかった。

鹿児島県の海上自衛隊・鹿屋航空基地に配備された、アメリカ軍の無人偵察機MQー9がカメラで撮影した映像が、アメリカ軍に送信するのと同時に日本側にもリアルタイムで提供される。
東京の在日アメリカ軍横田基地に新設されたMQー9のオペレーションルームに自衛隊のスタッフも常駐し、映像をアメリカ軍スタッフと共同で分析していくことになる。

これまでアメリカ軍の無人機が撮影した映像などは、一部加工してから日本側に提供されており、映像がリアルタイムで日本側に共有されるのは、今回が初めてだ。

日本列島周辺では、中国とロシアの海軍の艦艇や空軍機がたびたび共同行動をとっている。中国軍の無人機が、台湾周辺から南西諸島周辺の日本の防空識別圏に侵入して、航空自衛隊の戦闘機がスクランブル発進するケースも頻発していて、MQー9はこうした事態にも対処することになる。

MQー9が得た情報を日米がリアルタイムで共有するに至った背景には、中国、ロシアなどによる挑発行動に、アメリカ軍単独では追いつかない現実があるとみられる。
年末に向けて改定を目指す防衛3文書には、こうしたアメリカ軍との連携強化策が盛り込まれる見通しだ。

政治部
政治部

日本の将来を占う政治の動向。内政問題、外交問題などを幅広く、かつ分かりやすく伝えることをモットーとしております。
総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。

上法玄
上法玄

フジテレビ解説委員。
ワシントン特派員、警視庁キャップを歴任。警視庁、警察庁など警察を通算14年担当。その他、宮内庁、厚生労働省、政治部デスク、防衛省を担当し、皇室、新型インフルエンザ感染拡大や医療問題、東日本大震災、安全保障問題を取材。 2011年から2015年までワシントン特派員。米大統領選、議会、国務省、国防総省を取材。