公用車に高級車センチュリーを購入した山口県に、購入したことは「違法」だと異例の判決が下された。

公用車にマッサージ機能搭載最高級車

上品に光る黒い車体。鳳凰のエンブレムが輝くトヨタの最高級車「センチュリー」だ。

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実はこの車は、2020年8月に山口県が公用車として購入したもの。購入価格は、2090万円。

この車をめぐり、11月2日、民事訴訟で異例の判決が下された。
それは、公用車としてセンチュリーを購入したことは、違法と認定されたのだ。

そもそもなぜ2000万円超の高級車を買う必要があったのか。
当時、山口県の担当者はこう主張していた。

山口県会計管理局・原田主事:
皇族の方、海外の要人など来賓を迎えるにあたっては、センチュリーがふさわしいという判断

山口県が購入したセンチュリーには、後部座席の背もたれにマッサージ機能を搭載。スピーカーが20個も付いたニューモデルだった。

こうした状況に、県民からは「そんな無駄遣いをすることない」「もうちょっと違う、子供のこととかに(税金を)使って欲しい」と不満の声が上がった。

そして2022年2月、県の判断は納得できないと山口県の元職員の男性が山口県を提訴。村岡知事に購入費の全額を請求するよう求めたのだ。

元県職員・松林俊治さん:
村岡さん(知事)は、そのお金を県に返してくれ。県財政に返してくれと。自分の個人のお金からね

「最高の判決」知事に全額支払い命令

税金を使った高級車の購入は適切だったのか。注目の判決が11月2日、山口地裁で下された。

山口地裁 裁判長:
被告(山口県)は村岡嗣政(知事)に対し、2090万円を請求せよ

山口地裁は、「他の車種を全く検討していない」などと県の対応の不十分さを指摘し、財務会計上の違法行為と認定。村岡知事に対し、購入金2090万円の支払いを求めるよう県に命じた。

全面勝訴を受け原告の男性は、「最高の判決」と感想を述べた。

元県職員・松林俊治さん:
税金は人が豊かになるように、そのような県政・知事になってもらいたい

原告側代理人によると、公用車の購入をめぐり自治体の違法性を認める判決は異例だという。

一方、2090万円の支払いを命じられた形の村岡知事は、こう話した。

山口県・村岡知事:
今回の判決については正直、驚いております。納品される直前に報告を受けたわけですが、裁量権の乱用というところが、どういったところで言われているのか、判決の内容を確認したいと思います

山口県は、判決の中身を精査し今後の対応を検討するとしている。


(「イット!」11月2日放送より)