カラオケのマイクを握る女性。投資詐欺の被害に悩み、22歳の若さで自ら命を絶った、川上穂野香さんだ。その遺族が11月2日、勧誘者ら3人に損害賠償を求める訴えを起こした。

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穂野香さんの母親は10月30日、自宅で取材に応じ、訴えを起こす目的をこう明かした。

穂野香さんの母・川上佐永子さん:
私は加害者らを許されへん。なんとか穂野香の無念を晴らさへんかったら(晴らさないと)

穂野香さんは2020年8月、大学の同級生らに「ジェンコ」という金融商品を紹介され「月利8%」「今しかない」などと出資を迫られた。

返金を拒否された翌日に命を絶った

これは、LINEに残された当時のやりとりだ。「所謂マルチですかね?」などと疑う穂野香さんを、相手は「出資者が多いほど利益率が高い」など言葉巧みに勧誘。

穂野香さんは150万円を借り入れて出資したが、一度も配当などを得られず、交際相手とともに返金を求めた。その時の音声が残っている。

穂野香さんの交際相手:
こいつの150万返してほしいんですよ

男:
なんで?(笑い声)。(投資先の)会社がやっていることなので僕らって一切関わりないんですよ

返金を拒否され、穂野香さんは翌日に命を断った。

勧誘者らを提訴…母は無念の思い

穂野香さんの母親は、勧誘した同級生ら2人と中心的な役割を担っていた男を相手取り、約1200万円の損害賠償を求め、提訴した。

母子家庭で育った穂野香さん。家の周りには子どもの頃、母親宛てに書いた手紙も置かれていた。

穂野香さんの母・川上佐永子さん:
何で何も悪いことしてなくて、真面目に生きてきた子がそんなに苦しめられて。だます方が悪いのになって…

穂野香さんの母親は会見で「だまされる側が悪いと言う人もいるが、巧妙で悪質な詐欺もあると理解してほしい」と訴えた。

(「イット!」11月2日放送より)