フリースクールを立ち上げ、不登校の子どもたちなどの学習を支援している大分県大分市の女性。その取り組みが評価され、内閣府の「女性のチャレンジ賞」に選ばれた。この取り組みを始めたきっかけは、学生時代に家庭教師のアルバイトをしていたときに受けた「衝撃」だったという。

不登校やひきこもりの子どもを支援

子どもたちと仲良く触れ合う女性。
大分市下判田でフリースクールを運営する「若葉会」の代表、佐伯和可子さんだ。

フリースクールを運営する佐伯和可子さん
フリースクールを運営する佐伯和可子さん
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「若葉会」は、不登校やひきこもりを経験した子どもの学習などを支援するため10年前に誕生。現在はフリースクールのほか、障害がある子どもたちが放課後に通うデイサービスも行っている。

立ち上げのきっかけは“家庭教師の経験”

大学時代に家庭教師をしていた佐伯さん。
受け持った子どもの中に不登校の生徒がいて、その時の経験が現在に繋がっていると言う。

家庭教師の経験がフリースクール立ち上げのきっかけ
家庭教師の経験がフリースクール立ち上げのきっかけ

佐伯和可子さん:
ちょっとしたきっかけで学校から足が遠のいたというだけで、その先の高校とか大学というのが全部なくなってしまうような、そういう影響を持つ出来事なんだということに衝撃を受けた

大学卒業後、学校に行けない間も学習できる環境を整えたいとフリースクールを立ち上げた。
現在は、12人の子どもたちが通っている。

市販の教材を活用して指導を行っているが、何を勉強するかは子供たちが選んでいる。

「何を勉強するか」は子供たちの自由
「何を勉強するか」は子供たちの自由

子どもたちは:
どれからでも始められたりするところがいい。頭がちょっと良くなりたくて(勉強を)始めた

勉強のほかコミュニケーションの取り方など、社会で必要な知識が身に着くようサポートしている佐伯さん。

「女性のチャレンジ賞」に選定

障害がある子供たちの支援も含め幅広く活動していることが認められ、2022年、起業や地域貢献で活躍する個人や団体に贈られる内閣府の「女性のチャンレンジ賞」に選ばれた。

女性のチャレンジ賞に選出
女性のチャレンジ賞に選出

佐伯和可子さん:
才能を伸ばしたいという子どもたちにとっては、それが存分に伸びるような環境を整えてあげたいと思う。同じように勉強も、勉強したいという子は思いっきり勉強ができるようにしてあげたいと思っている

学校とも連携し子どもたちを見守る

そして、この日、佐伯さんが向かったのはフリースクールに通う児童の小学校。
子どもたちが学校に行きたくなった時のため月に1度、フリースクールでの様子を報告している。

学校とも連携
学校とも連携

大分市立松岡小学校 草野茂生校長:
フリースクールで学んでいる進度も内容もそれぞれに異なるでしょうから、その実態を事前に把握したうえで学校に戻った時に無理のないような形で学習したり生活したりできるような態勢を作っていきたい

松岡小学校 草野茂生校長
松岡小学校 草野茂生校長

佐伯さんは学校とも連携しながら、様々な悩みを抱える子どもたちを今後も温かく見守っていきたいと話す。

佐伯和可子さん:
あの時あれをしたな、とか誇れる。将来的にあれは有意義な時間だったなと思えるような、そういう時間にしてもらいたいと思っていて、そのための一端を私たちが担わせてもらっていると思う

運動会や文化祭を開いたり、子どもたちの工作を展示会に出品するなどフリースクールで様々な取り組みを行っている佐伯さん。

フリースクール
フリースクール

子どもたちの未来のため、今後も挑戦を続ける。

(テレビ大分)

テレビ大分
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