韓国・ソウルで起きた雑踏事故を受け、21年前に兵庫県明石市の歩道橋で起きた事故の遺族が取材に応じた。「他人事にせず、安全意識を高めてほしい」と話したほか、遺族に寄り添い、けがをした人を長期にわたりケアする体制の必要性を訴えた。

21年前に日本でも…「群集雪崩」が発生し11人が死亡「歩道橋事故」

2001年7月に明石市で開かれた花火大会では、ずさんな警備から歩道橋が異常な混雑状態となり、「群集雪崩」が発生。11人が死亡した。

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次男を亡くした下村誠治さんは、「1平方メートルに13人~15人いた。動ける人はいないです、どんな若い人でも」と話す。

韓国・ソウルで起きた事故では、ハロウィーンを前に大勢の人が集まっていましたが、ソウル市などは、イベント自体が主催者のいない自発的な集まりという理由で、安全対策を立てていなかったことが分かった。

下村誠治さん:
ご遺族の方の悲嘆に寄り添う社会であってほしいのと、けがをした方に長期にわたってケアする、国の体制づくりを即急に見せてほしいと思っています

下村さんは、事故直後から遺族の先頭に立って裁判を戦うとともに、明石市の職員に経験を伝えるなど、再発防止のための取り組みを続けてきた。

ハロウィーン当日は、日本でも各地で混雑が予想される。下村さんは、「韓国での事故を他人事だと思わず、警備側、参加者それぞれが安全意識を高めることが重要」だと話す。

下村誠治さん:
自分の目で現地を見て、危ないところがあれば察知して早めに対策を打つのが、警備に求められる心構え。行かれる方も事故があったということを心において、自分のことは自分で守らないといけない部分も出てきますので。一歩、半歩とどまる勇気を持っていただけたら

痛ましい事故を二度と起こさないため、それぞれが安全意識を高めることが重要だ。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月31日放送)

関西テレビ
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