与党にも野党にも腹が立つ国会議論

桜田大臣問題、なぜこんなに腹が立つのか考えてみた。
まず桜田さんそのものがイカンのは間違いない。
蓮舫議員の事前通告は確かにあまり親切なものではないが、「五輪の基本コンセプト」が何か答えられない五輪担当大臣はダメだ。
これは明らかに内閣改造における安倍首相の手抜きだ。まずこれで腹が立つ。

ただこれだけならよくある話。
問題は桜田さんを追求する野党側だ。
立憲民主の蓮舫さんは国籍問題であいまいな対応をして、国会議員としての資質を問われた。
もう1人の今井雅人議員。
桜田さんがパソコンを使えないことをバラして馬鹿にしたが、この人は比例で当選したのに離党して立憲民主と会派を組んでいる。
これは国会法の趣旨に反するので、この人も議員としての資質を問われている。
そんな人達が他人の資質をどうこう言ってはいけない。
「おまえが言うな!」だ。
つまり国会を見ていると、与党にも野党にも腹が立つのだ。
政治家は落語を聴いて勉強せよ

と、怒っていると、知り合いから、「落語議連作るんだけど来ない?」と誘いが来た。
僕が好きな柳家さん喬さんも来るというので、気分直しに設立総会に行ってみた。
行ってみてわかった!
政治家も落語に少しは学んだらいいんだ。
パッと惹きつける導入部分、随所に見せるユーモアと絶妙の間の取り方、そして驚きのオチ。まさに政治家の演説に必要とされるものだ。
これに比べて、まともに答えられない大臣とか、あら探しばかりする野党とか、国会って見てて恥ずかしくなる。
「落語を聴いた後は何でも許せる気持ちになる」

しかし落語好きで議連の幹事長、小泉進次郎さんは意外な事を言った。
「僕は演説のスキルを学ぶ為に寄席に行くんじゃないんです。
落語を聴いた後はなんでも許せる気持ちになるからなんです」と。
落語家の春風亭一之輔さんも、
「政治家は(落語における)ダメな人も仲間に加われる寛容さを理解しろ」と産経に書いている。
政治家は落語から優しさを学べばいいのか。
そうすればあんなギスギスした国会審議も、少しは良くなるかも。
G20で寄席芸を披露しよう
総会に参加した立川談四楼さんが、「落語議連がこれまでなかったのは落語のラクが落選のラクだからか」と突っ込むと、議連会長に就任した遠藤利明さんが「オチは落語の師匠さん達に任せて我々はオチないようにしましょう」と締めたのはなかなか気が利いていた。その調子でよろしく頼む。
寄席に行くと「紙切り」という芸があって、「怒ってるトランプ切って」と頼むと即興でチョキチョキ切ってくれる。
あの紙切りを来年のG20で各国首脳の前でやってもらうのが進次郎さんの夢だそうである。
蓮舫さん、今井さんもこの議連に是非入ってもらいたい。
(執筆:フジテレビ 解説委員 平井文夫)