秋篠宮ご一家は10月3日、来日したブータンのソナム・デチェン・ワンチュク王女をお住まいの宮邸に招き懇談されました。
ワンチュク国王の妹であるソナム王女は、今回、2人の息子、ヴェロチャナ・リンポチェ・ワンチュク王子(12)、ジグジェ・シンゲ・ワンチュク王子(9)を連れて来日。
9月27日には安倍元首相の国葬に参列しました。

皇室とブータン王室
皇室とブータン王室との関わりは深く、昭和62(1987)年に陛下がブータンを公式にご訪問。その後平成9(1997)には秋篠宮ご夫妻が、平成29(2017)年には長女の小室眞子さんが公式訪問しています。
この時、日本の文化芸能を紹介するイベント「日本週間」のオープニング式典でブータンの印象について話しています。
《小室眞子さんのスピーチ》
私の両親は、私が5歳だった平成9年にブータンを訪問いたしました。
私はその時初めてブータンを知り、龍が描かれた国旗や美しい民族衣装、人々の笑顔が強く印象に残り、ブータンをいつか訪れてみたいと思うようになりました。
両親の訪問から20年経った今、ここで皆さまとご一緒できますことを大変幸せに思います。

令和元(2019)年8月、ブータン王室からの招待を受け、秋篠宮ご夫妻は、長男の悠仁さまと私的にブータンをご旅行。
悠仁さまにとって初めての海外旅行となり、国王夫妻をはじめブータン王室との親交を深められました。
この時、パロ国際空港で、ソナム王女から出迎えを受けられています。

約3年ぶりに王女と再会されたご夫妻と悠仁さま。次女の佳子さまや2人の王子を交え、庭でキンモクセイの香りを楽しむなどして、約1時間、通訳を介さず英語で和やかに過ごされたということです。

また翌4日には、紀子さまが一般公開中の皇居・東御苑に王女と王子たちを案内し、2時間余りにわたり、二の丸庭園などを散策されたといいます。
ブループラネット賞を受賞した 前国王
秋篠宮ご夫妻は10月5日、東京・千代田区で開催された「ブループラネット賞」の表彰式典に臨まれました。この式典には、ソナム王女も出席しました。

ブループラネット賞は、平成4(1992)年の国連地球サミット開催を機に民間の財団によって創設されたもので、環境問題の解決に向け優れた功績をあげた人に毎年贈られます。

今回の受賞者は2人。ブータンの現国王の父、ジグミ・シンゲ・ワンチュク第4代国王と、湖の生態系を研究してきたアメリカ・ウィスコンシン大学のスティーブン・カーペンター名誉教授でした。

ワンチュク前国王は、環境保護を基本としたGNH・国民総幸福量を提唱。ブータン国内において国民の幸福感を高める国づくりを進め、世界にも影響を与えました。今回、娘のソナム王女が名代としてトロフィーを受け取りました。

《秋篠宮さまのおことば》
ここに、お二方の業績に深く敬意を表します。受賞されたお二方が、並外れた先見性と卓越した行動力により、長年にわたり人々のとるべき道筋を示してこられたことは、たいへん意義深いことであります。
そして、お二方をはじめ環境問題を深く考察している方々が主導的な役割を担い、持続可能な地球環境と人々のよりよい生活が実現されることを願っております。

ソナム王女は受賞スピーチで、長年環境保護に取り組んできたブータン国民のおかげというワンチュク前国王のメッセージを紹介。
《ワンチュク前国王からのメッセージ》
私がこの権威あるプループラネット賞の受賞者に選ばれたのは、環境問題解決への貢献 によるものでも、GNHの発案者としての功績によるものでもなく、ひとえに国としての取り組み、そして生態系のパランスを保つために長年ブータン国民が払ってきた犠牲と惜しげもない支援への賛辞であると考えています。
そして、次のように結びました。

《ソナム王女の受賞スピーチ》
ブループラネット賞は、自然環境の保全に取り組んできた代々のブータン国民の知恵と自己犠牲に光を当てる一助となります。このたびの受賞は、私たちにとって大きな喜びであり、励みです。
私たちは決意も新たに環境保護に取り組み、地球の健康と未来に向けて揺るぎない貢献を行ってまいります。
(「皇室ご一家」10月23日放送)