ロシアのプーチン大統領の側近が、ウクライナへの軍事侵攻を「戦争」だと初めて認めた。プーチン大統領はこれまで、ウクライナ侵攻について「戦争」ではなくウクライナの非軍事化などをはかる「特別軍事作戦」と主張していた。

プーチン大統領の側近の一人、キリエンコ大統領府第一副長官は22日、モスクワで開かれたフォーラムで「NATO(北大西洋条約機構)はロシアと戦争をしている」と述べた。

NATOが仕掛けてきたとする立場の戦争について「勝つためには誰もが当事者意識を持てるような戦争でなくてはならない」と強調したウクライナの反転攻勢を受けて、守勢にたつなか、「戦争」と認めることで、団結を求め一歩も引かない決意を表明した形だ。

また、プーチン大統領が有事の際に出兵する予備役を招集する部分的動員令や戒厳令を導入したことで、事実上の戦時体制に移行したことも背景にあるとみられる。

ただ、キリエンコ氏は「ロシアはウクライナと戦争していない」とし、あくまでNATOがロシアの排除を目的に仕かけている「戦争」に対応していると強調。ロシアが先にウクライナに手を出したことを棚に上げ、ロシアの軍事侵攻を正当化する立場を続けている。

国際取材部
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