華道に捧げる青春。長野市の文化学園長野高校華道部が、4年連続で華道の全国大会「花の甲子園」出場を決めた。存続の危機を乗り越え、めざすは日本一だ。

北信越大会で優勝 「花の甲子園」出場決定

文化学園長野高校華道部の部員
文化学園長野高校華道部の部員
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華道部メンバー:
「めっちゃ、下げちゃってもきれいだと思うんだよね」
「いいよ、それもかわいい」

ガーベラやユリを生けるのは、文化学園長野高校華道部のメンバー。このほど「Ikenobo 花の甲子園2022」出場を決めた。

こちらは9月、リモートで開かれた北信越大会に出した動画。決められたテーマと花をもとに、3人1組となって1人10分ずつ、計30分で一つの作品を仕上げる。この時のテーマは「HOME」。

完成後、審査員に作品のアピールをした。

華道部メンバー:
葉を船の帆に見立てて未来に向かって進む方向を表しています。『HOME』を文化学園の華道部に見立てて作品を作りました。今回は船に見立てた花器に、華道部みんなで乗り込んだ様子を表現してみました

結果は…

オンライン結果発表:
第1位、文化学園長野高等学校です

見事、5県13校が出場した北信越大会で1位に輝いた。これで全国大会出場は2019年から4年連続だ。

文化学園長野高校 華道部部長・山岸里帆さん(3年生):
決まったときは、すごくうれしかったです。今年で途切れさせるわけにはいかないと思っていたので、プレッシャーに感じていました

部長の山岸里帆さんは1年生から大会メンバーに入り、3回目の全国大会だ。

存続の危機を乗り越えて

過去3回の全国大会では2019年に3位、2020年と2021年は敢闘賞。

華々しい結果を上げる華道部だが…

顧問・山室利子教諭:
7年ほど前に部の存続の危機がありまして、卒業生が出ると部員がいなくなってしまう…。興味を持ってくれる子はたくさんいるんだけど、なかなか…

創部して20年以上になるが、人気が低迷し、2015年には部員が1人にまで減少。部の存続が危ぶまれる事態となった。

しかし、翌年は1人増え、2年後には華道経験者が入部。大会出場の条件となる3人に達し、2019年に初の全国大会出場を決めた。

その後は好成績もあって入部希望者が増え、今や16人だ。

勝山響さん(2年生):
先輩方が全国大会に行っていて、私も憧れて全国大会に行けるようになりたいなと思い(入部した)

「全員華道」…目標は初の全国優勝

この日はガーベラやユリを使っての練習。花の使い方や奥行きの出し方を確認する。

華道家元池坊・田口由美子さん:
こっち向きにして、ニューサイランを丸く

華道家元池坊の田口由美子先生。外部指導者として月に2回、生徒を指導している。

華道家元池坊・田口由美子さん:
基本ができているので、とても教えやすかったです。アドバイスをすぐ理解して受け止めてくれる

部長・山岸さんの作品は…

部長・山岸里帆さん:
全国大会への決意を込めて作りました。ニューサイランを昨年も全国で使って、その時も裂いて使って、『今年も全国頑張るぞ』という気持ちを込めて作りました

全国大会のテーマは「Flower of Life」。3年生5人が集まって、全国大会に向けたアイデアを出し合った。

華道部メンバー:
「友情は変わらないまま、それぞれの夢に向かって進んでいきたいと願いを込め…」
「シュロを…モンステラでもいいけど…」
「これ好きなんだよな、うち」
「ボタンはいいと思う」

野球ではベンチ入りできなった部員も含め、心をひとつにプレーすることを「全員野球」と言うが、こちらはさながら「全員華道」。
出場しないメンバーもアイデアを出し合い、めざすは「日本一」だ。

部長・山岸里帆さん:
みんながいてここまでやってこられた。今年こそは優勝して悔いなく引退できるようにしたい

顧問・山室利子教諭:
先輩後輩の垣根なく、言いたいことを言い合える仲間たちが華道部に集まっている。優勝のイメージしかないので、応援の力も借りながら優勝めざして頑張りたい

「花の甲子園」は11月13日に京都で行われる。

華道部メンバー:
全国優勝するぞ、おー!

(長野放送)

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