心臓移植を待つ長野・佐久市の中沢維斗さんの続報。アメリカに渡って2カ月、体調が一時悪化し、ゆうちゃんは今、人工心臓を着けている。日本に残っていた父も店を閉め、頑張る息子を支えようと、近くアメリカに渡る。

中華料理店を閉めて渡米へ

佐久市で中華料理店を営む中沢智春さん(42)。麻婆豆腐などが人気で常連客に愛されてきたが、5月いっぱいで店を閉めることにした。アメリカにいる息子をそばで支えるためだ。

維斗さんの父・中沢智春さん(長野県佐久市)
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中沢智春さん:
(アメリカに)行って励ましてあげたいとか、ストレスが少しでも緩和できればいい

中沢さんの息子・維斗さん(10)。今、アメリカ・テキサス州の病院にいる。ゆうちゃんは心臓の移植手術を受けるため、渡米した。

広がった支援の輪

生後間もない頃の中沢維斗さん(提供写真)

生後、大動脈弁狭窄症と診断されたゆうちゃん。人工弁を入れるなどの手術を繰り返し受けてきた。その後「拘束型心筋症」も患っていることがわかった。心臓の筋肉が徐々に固く、広がりにくくなる「50万人に1人」の難病だ。
家族に残された道は心臓移植しかなかった。

母・加代さん(2021年11月):
代われるものなら代わりたい。皆さまの力をお借りして命をつなぎたい

募金活動

日本ではドナーが現れる可能性が極めて低いため、アメリカで待つことに。両親や救う会は、2021年11月から募金の協力を呼びかけた。支援の輪は県内外で広がり、2022年2月に募金は目標額の2億3700万円に達した。

父・智春さん(2月):
皆さんの協力があってここまでできた…。皆さんの協力の温かさを知りました

中沢維斗さん(2月):
皆さん、ありがとうございます。元気になったら、また会おうね

2022年の2月末、ゆうちゃんは母親の加代さんと一緒にアメリカへ渡った。

アメリカで体調悪化…補助人工心臓を装着

渡米後の母・加代さんと維斗さん(提供画像)

入院したのは、循環器専門の大きな病院。環境は大きく変わったが、アメリカ人の友達もできた。

3月までは元気だったが…4月に入って体調が悪化。食事をしても、すぐに嘔吐してしまうように。
そこで、移植までの間、体を維持するために小児用の補助人工心臓を装着することになった。

移植手術までの間、小児用の補助人工心臓を装着することに(提供映像)

父・智春さん:
着けないと、心臓移植の時が来ても他の臓器がだめになってしまうと。本当に痛々しい姿を…つらい思いをさせちゃったなと。自分の体を見てどう思ったかなと、そこはちょっとね…

父・智春さん

何本もの管につながれた体。ゆうちゃんは、8時間に及ぶ装着手術を耐え抜いた。体調は徐々に回復し、最近は食事もとれるようになったという。

提供画像

父・智春さん:
ちょっと顔もぽっちゃりしているんですけど、笑顔も見えてきて、いい状態で移植まで待てるかなと

アメリカで息子と妻を支える

佐久市に店を構えて約15年。営業は残すところ2週間余りとなった。中沢さんは店を閉めて6月、アメリカへ渡る。ドナーを待つゆうちゃんと、これまでつきっきりで面倒を見てきた妻・加代さんをそばで支えるためだ。

母・加代さんと維斗さん(提供画像)

父・智春さん:
今まで皆さんの協力を得て、募金の目標を達成して渡米をさせていただいたんですが、渡米後は家族の中の戦いというか、なかなか(妻の)周りに日本語でしゃべる通訳の方が四六時中いるわけではないので、ストレスはかかって大変な思いをさせているなというのは日々感じている。
早く帰ってきてほしいというのは一番ですけど、普通の生活をさせてあげたい。走ることさえしたことがないので、そういうところからさせてあげたい

ゆうちゃんが元気になって佐久に戻ってこれる日まで、中沢さん一家の戦いが続く。

(長野放送)

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