広島出身の姉妹デュオ、メビウスが地元を応援する「メビウスのとことん!!ふるさと応援隊」
今回の訪れたのは広島県の北部田園風景が広がる自然豊かな街、安芸高田市。出荷するには小さいため市場に出回りにくい特産品の果物が、地元高校生のアイディアをもとに”100倍の価値”になった、地域おこしを取材しました。

安芸高田市は20世紀梨の一大産地

メビウス(Mebius) Mami・Norie:
見て!梨がすごいです。今旬じゃもんね。甲田町(こうだちょう)といったら梨!

この記事の画像(24枚)

メビウス:
おはようございます。
梨園に初めて来たんですけどだいたい何月頃まで?
かしもと農園・樫本雄三さん:
だいたい9月末ぐらいでほぼ終わり

早速、採れたての梨を試食させてもらう。
メビウス:
おいしい!瑞々しくてさっぱりしてますね
樫本さん:
少し酸味がある感じで甘さは十分あると思います

安芸高田市の特産である二十世紀梨の栽培を70年以上続ける「かしもと農園」。この日メビウスの二人とは別にオーナーの元を訪れていた一人の男性が…。
安芸高田市地域おこし協力隊・沖横田秀雄さん:
安芸高田市の地域おこし協力隊をやっている沖横田といいます

地域おこし協力隊とは、地域外から移住してきた人を、その地域の農産物や産品のPR、販路拡大などの”地域振興役”として、自治体が委嘱するもので、都市から地域への移住、定住を促す目的がある。2021年度は全国で6000人が活動。

安芸高田市の活性化のために日々活動する地域おこし協力隊の沖横田さん。彼が担当するのは市場に出ていない農作物をいかすプロジェクトらしいのだが

商品にならない小さな“こだま梨”を活用 フードロス防止に貢献

メビウス:
今日は何の作業をされているんですか?
沖横田さん:
実はこの二十世紀梨の小さい梨、こだま梨の引き取りに来させてもらっています

一見ふつうに見えるが通常のサイズと比べるとこんなに違う。出荷する大きさに満たないため、このこだま梨は市場に出回りにくい。

沖横田さん:
味は美味しい二十世紀梨にかわりはないんです
このこだま梨を活用したある商品に関わらせてもらっています

一体、このこだま梨が何に生まれ変わるのか…真相を探るため、二人もその現場に同行。
かしもと農園で集めた50キロのこだま梨を車に積み込み、安芸高田市甲田町から車でおよそ1時間で目的地に到着。

こだま梨はサイダーに 商品開発は地元高校生

沖横田さん:
こちらは庄原市高野町のねこかわうそサイダリー。サイダーの製造をお願いしている所になります

メビウス:
え!?梨のサイダー?
沖横田さん:
そうですね。2021年にはじめて、こだま梨サイダーという商品を開発させていただいた

安芸高田市の新たな名物として2021年に誕生した、こだま梨サイダー。この開発に携わったのは地元、吉田高校の生徒たち。梨の収穫からテイスティング、ラベル作り、販売までを一貫して生徒が行い、そのサポート役を沖横田さんが担った。

2021年販売した500本はなんと半日で完売。これは生産者にとっても喜ばしいことだった。
かしもと農園・樫本雄三さん:
地元産としたら面白い商品になりますよね。捨てる可能性があるのでサイダーに使っていただくという事は非常にありがたい

二年目の2022年は、提供する生産者が増えたこともあり、2021年の倍を超える製造本数を目指している。この日は梨の傷んだ部分を手で一つ一つ取り除いていく作業が行われていた。
メビウス:
やっぱりこういった所があると製造の時に…
ねこかわうそサイダリー・伊藤達也さん:
香りですよね

メビウス:
香りに影響するんですか
伊藤さん:
味わいの部分で良くない方に
メビウス:
一つ一つ手作業ですもんね
伊藤さん:
そうです。機械にできない事をやることに僕たちの価値があるので
沖横田さん:
美味しくないわけがないですね

伊藤さん:
そのままだと1円の価値にもならないものが、一つ手を加える事で100倍の価値になって喜んでもらえるような、美味しいと言ってもらえるようなものになる。こんな取り組みがあるんだとか、地域にこんな宝物が埋もれているというような事に気づいてもらえたらいいなと思います

高校生らは別の新商品も開発中 今度はぶどう果汁100%ジュース

地域の人々がタッグを組み市場に出回らない地元産の梨に新たな価値を生み出した安芸高田市の新名物こだま梨サイダー。実はこの製造と同時進行で新たな商品開発が始まっていた。
作業を終えた3人は県立吉田高校へと向かう。

沖横田さん:
今年から始めた取り組みで、こちらのアグリビジネス科の皆さんが作られているベリーAというぶどうの商品開発に関わらせてもらっている

現在開発を進めている商品が、吉田高校の生徒たちが栽培したベリーAを使った果汁100%のジュース。11月の発売を目指し、5月から動き出したこのプロジェクトでは、商品コンセプトの考案やジュース製造を担当する伊藤さんの講義など様々なプロセスを経て、製品化にむけて活動している。

沖横田さん:
今日のぶどうの商品開発ミーティングは、ドリンクの商品名とキャッチフレーズ、できたらラベルデザインのアイデアまで決められたらいい

この日のミッションはぶどうジュースの商品名を確定すること。生徒たちが考えてきた案を発表していく。

高校生らがアイディアを凝らし、ジュースの商品名が決定

生徒A:
汗水たらした吉高生のこだわりのぶどうジュース
生徒B:
吉高生の努力の結晶
生徒C:
ここでしか飲めない吉高のぶどうジュース

ぶどうジュースの商品名案が続々と
ぶどうジュースの商品名案が続々と

この日は瓶詰までが完了したジュースの初めての試飲も。
メビウス:
美味しい!ぶどうそのものの味だね。優しい味…美味しい
名前、こんなのは…「ベリーええけん、まあ、いっぺん飲んでみんさい」

さぁみんなで出し合ったアイデアをもとに、ここから更にブラッシュアップ!会議スタートから1時間、生徒たちが栽培から携わったぶどうジュースの商品名が決定。
一同:
「青春の一滴。Veryええじゃん!吉田高校産ベリーAジュース」

ぶどうジュースの商品名がついに決定
ぶどうジュースの商品名がついに決定

生徒A:
他の高校には滅多にこういう企画は無いと思うので、色んな人にぶどうを知ってもらえたらなと思います
生徒B:
がんばって作ってきたベリーAという商品を色んな地域の方に知ってもらえるように、PRもしっかりして完売を目指してがんばります

地元高校生と飲料製造業者、地域おこし協力隊、農家がタッグを組み、新商品の開発にフードロス防止と多面的に地域に貢献している。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
テレビ新広島

広島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。