子どものクマさんが、住む場所を全力でお掃除…そんな風に見える動画が話題となっている。

ホッキョクグマの女の子・ゆめちゃんは、旭山動物園(北海道旭川市)の人気者。すくすくと成長中なのだが、ある変わった行動がみられている。

ゆめちゃん(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)
ゆめちゃん(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)
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それがこちら。柔らかい洗濯カゴに両手を乗せ、体重をかけながら押して地面をズリズリ…。端っこまでいったら、方向転換してズリズリ…。“雑巾がけ”のようなことにハマっているのだ。

雑巾がけのような遊びにハマっている(提供:松本さん)
雑巾がけのような遊びにハマっている(提供:松本さん)

Twitterユーザーの松本(@matsushin1978)さんが撮影して投稿したところ、Twitterでは「雑巾がけうますぎる」「働きものだね〜お疲れさま」といった反応が続々。いいねは7万8000以上も集まり、動画は130万回以上も再生されている。(9月30日時点)

「おもちゃに使って」と届いた洗濯カゴ…あげたら大喜び

お掃除をしているようで可愛らしいが、この行動にはどんな意図があるのだろう。そもそもなぜ洗濯カゴがあるのだろうか。真相を、旭山動物園のホッキョクグマ担当の飼育員に聞いた。


――ゆめちゃんのことを教えて。人間でいうとどれくらい?

2021年12月10日生まれで、もうすぐ生後10カ月になります。体長は約1.2メートル、体重は約80kg。ホッキョクグマは2~3歳で大人になるので、人間でいうと小学生や中学生くらいでしょうか。性格は活発でやんちゃ、遊び好き。まだまだ子どもですね。

生後まもない頃(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)
生後まもない頃(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)

――洗濯カゴでの遊びはいつごろから始まった?

洗濯カゴは一般の方からの、寄贈になります。私たちの動物園には「おもちゃに使ってください」とさまざまなものが贈られてくるのですが、洗濯カゴは数カ月前に初めて贈られてきました。

私は初めて見たとき「どうかな?」と思ったのですが、(ゆめちゃんに)渡したところ、すごく喜んで水に落として飛び込んだり、地面をこすったりして遊ぶようになりました。もしかしたら、他の動物園でも与えた事例があったのかもしれません。

遊びを通じて狩りの練習をしているかも

――雑巾がけのような行動の理由は分かる?

ホッキョクグマは肉食動物で、遊びを通じて狩りの練習をしたりします。洗濯カゴは自分よりも小さくて、地面をこすると「ガーッ」と音も出るので、夢中になっているのではないでしょうか。


――洗濯カゴはすぐ壊れてしまうのでは?

2~3日で壊れてしまいます。ただ、(ゆめちゃんが)遊ぶ様子がSNSなどで拡散されると、多くの方からどんどん届くようになりました。そのため、洗濯カゴは常にストックされているような状況です。

洗濯カゴをぽいっ(提供:松本さん)
洗濯カゴをぽいっ(提供:松本さん)

――他のもので雑巾がけをすることはある?

ブイや浮き球など、丸いものを転がして遊ぶことはありますが、平べったいおもちゃはなかなかありません。似た形のものがあればやるかもしれませんが、気に入ったのは洗濯カゴですね。

旭山動物園としては40年ぶり!ゆめちゃんは待望のこぐま

――ゆめちゃんの日常の過ごし方を教えて。

午前9時ごろに外に出て、遊んだり泳いだり。お母さんのおっぱいを飲んで、お昼寝もします。元気になったらまた遊ぶ…といった感じです。夕方には寝室に戻り、ごはんを食べます。

初めて外に出たときは、お母さんのそばを離れなかった(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)
初めて外に出たときは、お母さんのそばを離れなかった(旭川市旭山動物園公式YouTubeより)

――他のホッキョクグマが、雑巾がけをすることはある?

当園のホッキョクグマは、大人が4頭、子どもが1頭の計5頭います。大人も遊びますが、雑巾がけのようなことは見ないですね。力が強いので、カゴがすぐにボロボロになると思います。


――話題となったことの受け止めを聞かせて。

(ゆめちゃんは)旭山動物園では40年ぶりに繁殖が成功した、待望の子どもになります。そんなこぐまが遊び好きで、注目を集めたことはうれしいことですね。このようなことをきっかけに、動物の生態にも興味をもってもらえればと思います。

ゆめちゃんは一般の方から贈られた、洗濯カゴがとても気に入ったようだ。この遊びを大人になってからも続けるかは分からないが、毎日を楽しく、すくすくと成長していってほしい。