多くの飲食店が新型コロナの影響を受け、閉店を余儀なくされた。そんな中、コロナ禍でも新たな商売を始めやすいようにと、広島県内では今までにないタイプの移動販売車、キッチンカーが稼働することになった。

コロナ禍に初期費用抑えて起業

五十川裕明 記者:
木の優しい雰囲気に開放感のあるガラス窓。優雅にコーヒーを飲みたくなるカフェのような空間です。今、私が立っているのは”トラックの荷台”、キッチンカーの中です

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存在感のあるガラス張りのキッチンカー。新型コロナの影響を受けた人に、初期費用を抑えて起業してもらおうと、廿日市市で街づくりに携わる会社を経営する安村通芳さん(38)が導入した。

ガラス張りのキッチンカー
ガラス張りのキッチンカー

KAZARI・安村通芳 代表:
店舗のように同じ場所でお客を待つだけでなく、キッチンカーで移動しながら販売する新しいスタイルです。ぜひ若い方からキャリアのある方まで、年齢に関係なく再チャレンジしていただきたいですね

キッチンカーは、9月に廿日市市内のイベントなどで実証実験を行い、10月から本格的な稼働を目指している。

営業の幅が広がる”西日本初の設備”

安村さんにキッチンカーの中を案内してもらった。

明るく開放的なキッチンカーの内部
明るく開放的なキッチンカーの内部

KAZARI・安村通芳 代表:
キッチンカーの前方は、飲食店の厨房をベースに作りました。一方で、後方は本屋や雑貨店もできる棚作りになっているんです

キッチンカーを案内する安村さんと五十川記者
キッチンカーを案内する安村さんと五十川記者

安村さんは国の補助金を活用し、総額750万円をかけて中古車の2トントラックを改造。運転席の上部分に、一般的なキッチンカーの2.5倍、200リットルの給水タンクを積むことで、飲食店の営業許可と2021年6月に改正された食品衛生法の基準も満たしている。

通常の飲食店と同等に営業できるキッチンカーは、西日本初だという。安村さんは「どこへ移動しても、固定の店舗と変わらない範囲の営業ができる。それは、今までできなかったことだ」と話す。

キッチンカーに備え付けられた厨房
キッチンカーに備え付けられた厨房

複数店が1台のキッチンカーをシェア 

最大の特徴は、出店を希望する人たちで”キッチンカーをシェア”できる点だ。例えば「カフェ」と「雑貨店」を出店する2人が共同使用者となって、最短1日から借りることが可能。

キッチンカーをシェアするイメージ
キッチンカーをシェアするイメージ

キッチンカーの1日の基本料(税抜き)は3万5000円、起業を考えている人は半額の1万7500円、半年以上の契約を結ぶと1日6000円ほどで使用できる予定だという。安村さんは「イベント以外でも、市街地の駐車場など空きスペースを活用して日常的に出店し、新たなビジネスチャンスをつかんでほしい」と考えている。

街の景色に溶け込むキッチンカー 【提供】KAZARI
街の景色に溶け込むキッチンカー 【提供】KAZARI

KAZARI・安村通芳 代表:
キッチンカーが公園などのちょっとした空間を移動しながら、街の変化を表現していければ、新しい広島になるんじゃないかと思います

五十川裕明 記者:
今までのキッチンカーは、1つの業態が1台で営業するのが一般的だったように思います。今回のキッチンカーはさまざまな人がシェアします。起業をためらっている人が、気軽におしゃれに出店できる点で、画期的と言えそうです。新たなビジネスモデルとして、広島に定着することができるでしょうか

キッチンカーを取材した五十川記者
キッチンカーを取材した五十川記者

安村さんは今後、ホームページを立ち上げて県内外から出店者を募りたいとしている。
キッチンカーは街の新しい風景になろうと、走り始めたばかりだ。

(テレビ新広島)