近年、世界の大舞台で活躍する日本の女子アスリートたち。

しかし、そんな彼女たちの道のりは平坦ではなかった。

9月18日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ系)では、女子アスリートたちが学生時代の制服を着て集合。

ゲストは、父親譲りの格闘センスを誇るプロレスラー・赤井沙希選手、学生時代から世界を舞台に活躍したプロフィギュアスケーター・澤山璃奈さん、名門社会人チームからプロに転向したマラソンランナー・下門美春選手、ロンドン五輪体操日本代表の田中理恵さん、女子サッカーの名門校に通い高校時代から注目を集めた仲田歩夢選手、国民栄誉賞も受賞した元なでしこジャパンの丸山桂里奈さん、女子競輪界の逸材として名高い山口伊吹選手。

彼女たちの超濃密な青春時代や学校生活を振り返った。

坂道の特訓はヤバい?

高校時代、2度の全国制覇を果たした女子サッカー・仲田歩夢選手。現在プロで活躍する彼女の学生時代の練習が「ヤバかった」という。

「監督から『ランシュー』という言葉が出たら“地獄のサイン”でした。ランニングシューズの略でランシューは走るだけの時間」(仲田選手)

女子サッカー・仲田歩夢選手
女子サッカー・仲田歩夢選手
この記事の画像(8枚)

仲田選手は「グラウンドの前の坂道が200メートルくらいあって、10本、20本(走る)。坂の上に監督が立っていてそこがゴールだった」と振り返る。

坂道を使った過酷な練習に番組MC・浜田雅功さんも思うところがあるのか、「寮に“心臓破りの坂”があった。上に先生が立っていて」と話し、あまりのキツさに途中で便意を催すこともあったと明かすと、仲田選手らは「わかる」と共感。加えて、仲田選手は「してもいいかなって思う」とぶっちゃけた。

2019年にデビューし、同年防府競輪場で初優勝を飾った競輪・山口伊吹選手は「高校時代、父親が厳しくて朝4時から朝練をして、タイヤを自転車につけてひいて走ったり、山登りしたりしていた」と振り返った。

さらに、静岡県にある競輪選手養成所には地獄の坂道があるという。山口選手は「全然大丈夫!」と平気そうな顔をする。この坂道を登った経験があるという浜田さんは「めちゃくちゃやった。ムリやで」と顔をしかめるが、山口選手は「今度一緒にぜひ」と笑顔で誘った。

元体操女子日本代表・田中理恵さん
元体操女子日本代表・田中理恵さん

元体操女子日本代表の田中理恵さん。日本体育大学卒業で、2012年のロンドン五輪に出場し、団体8位に入賞している。

そんな田中さんにとって過酷な練習は「体重の維持」だったという。「適正体重のプラスマイナス0.5キロ以内に抑えなければいけないので、オーバーしたら走らされる。0.1キロもオーバーしたらダメなので、オーバーしていたら『走って帰りなさい』と言われて、体育館から家までの8キロ走らされました」と話した。

プロフィギュアスケーターとして活躍する澤山璃奈さん
プロフィギュアスケーターとして活躍する澤山璃奈さん

プロフィギュアスケーターとして活躍する澤山璃奈さんは、高校時代、学校にリンクがなかったために、スケートリンクに通っていた。

「一番コアな時間は一般営業中なので、私たちが練習できるのは早朝か夜しかなくて。家からリンクまで電車で1時間半か2時間くらいかかるところで、練習が終わって帰って高校に行くと寝る時間が3時間くらいなので、毎日制服でビジネスホテルに泊まっていました」と話し、一同を驚かせた。

続けて、「サラリーマンの中、制服で朝ご飯をホテルで食べていた」と語る。その後、リンクの近くに家を買ってもらったという。

同じ女子サッカーでも上下関係が違う?

運動部には独特な伝統も存在する。

元プロボクサー・赤井英和さんの娘で現在プロレスラーとして活躍する赤井沙希選手は、中学時代に所属したバレーボール部での不思議な挨拶を挙げた。

「『おはようございます』が『あいざいまぁ(↑)す』って言うんです。一番難しいのが『ナイスファイトです』で『ナイスアイト(↑)です(↑↑)』」と独特なイントネーションだったという。その発声を覚えるために「ノートにメモしていた」と話した。

田中さんは「体育館に入るときの絶対ルールで、『こんにちは、よろしくお願いします』と大声で言わなきゃいけない。先生が『聞こえない』って言ったら、練習が始まっても先生がOKを出すまで繰り返す」と挨拶の声が小さいと永遠の声出しが待っていたと明かした。

上下関係も厳しい部活が運動部には多くある。しかし、仲田選手が所属していた女子サッカー部は意外な伝統があった。

「私の高校は上下関係が全くなかった。先輩にもタメ口。敬語だとプレーに支障が出る」ため、「○○先輩」と言ったことがないのだという。

浜田さんが「桂里奈!って言うの?」と言うと、2011年FIFA女子W杯で優勝し元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんは嫌そうな顔をする。

丸山さんは「逆にバリバリ上下関係があって、先輩が私の顔を見て毎回げんこつを食らわせてきた。考えられない」と憤った。

さらに「話すと歯が見えるじゃないですか、歯を見せないように先輩と話さなきゃいけなかった」と厳しいルールを明かす。

「どういう感じ?」と浜田さんから問われた丸山さんは、歯を見せない話し方を見せるが、それがうまくできず、「ウソつくな!」とツッコまれる。

スポーツ名門校の恋愛事情

学生時代、部活に熱中しつつも、恋愛も楽しみたい年頃。スポーツ名門校の恋愛事情はどうだったのか。

田中さんは「日体大の体操部は恋愛OKです。(出会いは)部内しかなかった」と明かし、行き帰りの寮までの道でアプローチしていたという。大学生だったため恋愛も許容されていたが、田中さんは「でも体操が一番です」とした。

澤山さんは「一人もフィギュアスケート界同士で付き合ったことがないって人はいないんじゃないかってくらい。元カレと元カノが何人も同じリンクにいたりして、かぶってしまうのがデメリット」だと明かした。男女ペアの場合は「恋愛になることは多い。別れるとペア解消もあり得ますし、他のペアの子を好きになるとそこでペアを組んだりする。相性が大事!」と話した。

プロレスラー・赤井沙希選手
プロレスラー・赤井沙希選手

赤井選手は「バレーボール部の時はさすがに彼氏はいなかったんですけど、卒業してから彼氏ができました」と明かし、その相手にスタジオ中を驚かせる。相手は相席スタートの山添寛さんで「私が中2で寛くんが高1」と話すと、「かんくん」という呼び方にまた驚く。

さらば青春の光・森田哲也さんが「あいつはクズですよ」とツッコむが、赤井選手は「当時はクズじゃない。世界一面白かった」とフォローした。

競輪・山口伊吹選手
競輪・山口伊吹選手

「男子もいるんですけど、会話が禁止だった」と話すのは山口選手。

実は競輪選手は国家資格が必要で、「競輪選手資格検定」に合格して初めてプロ選手になれる。その試験は非常に難しく合格率は女子が41.6%で男子は9.6%。

この狭き門を突破するため、毎年全国から男女合わせて約90人が入所する。

養成所は練習が厳しいのはもちろんのこと、とりわけ候補生同士の恋愛に対してかなり厳しいという。男女とも同じ建物で生活しているが、行き来は禁止で、2人きりでの会話もNG。その理由を山口選手は「競輪選手になるために来ているので、恋愛のことを考えずに競輪選手になるためだけに生活して欲しいと聞いている」と話す。

さまざまな規則を違反すると「最終的には退所になってしまいます。そして二度と競輪選手になることはできなくなる」と山口選手。

しかし、厳しい世界から解放されると「卒業した途端に付き合う人は多かった。私はちょっと先輩の方と…」と小声で明かした。

元女子サッカー・丸山桂里奈さん
元女子サッカー・丸山桂里奈さん

丸山さんは、出会いの場は「リハビリ施設」だったという。

「サッカー選手と付き合っていましたし、他競技ともお付き合いはあった。狙い目が意外とリハビリ施設。ありとあらゆる選手がケガをしてそこに集まる。宿泊して朝から晩までリハビリして、監督・コーチもいない。記者も入れない。とにかくやりたい放題。ジャグジーがあって、そこでイチャイチャして有意義な恋愛生活だった」とニヤけた。

(『ジャンクSPORTS』毎週日曜日夜7:00~8:00放送)