障害者と企業の架け橋となる「農園」オープン

知的障害や精神障害がある人と、障害者雇用を進めたい企業の架け橋となる「農園」が大阪市内で初めて誕生した。

大阪市淀川区に、2022年6月にオープンした「わーくはぴねす農園」。9月8日、開園式が開かれた。

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わーくはぴねす農園で働く障害者たち:
ホウレンソウの種になるんですけど、始めはこういう赤色なんですね。ここから苗に育つまでに3週間ぐらいかかりますね

(Q.野菜博士ですね?)
わーくはぴねす農園で働く障害者たち:

ここで働いてから、色々身についてきて

屋内農園で働くのは、知的障害や精神障害がある人たちだ。

企業などは、全従業員の2.3パーセント以上の障害者雇用を義務付けられている。

厚労省によると、民間企業で働く約6割が身体障害者で、知的障害や精神障害がある人の雇用が進んでいない。

エスプールプラス 和田一紀社長:
製造業だったり工場で、なかなか障害のある方を雇用できないという企業さんが、安心安全にやっぱり働ける環境というのを障害者雇用に求められている

そこで農園を運営するエスプールプラスは、企業に農園の区画を貸し、企業が自社で雇用した障害者が農業をする仕組みをつくった。

物事を覚えるのが苦手な、知的障害がある古藤樹さん(22)。毎日、農園に通うのを楽しみにしている。

(Q.どんな気持ちで野菜を植えているんですか?)
古藤樹さん:
これは「早く大きくなあれ」って、食べていただける方が笑顔になってくれたらいいなという思いで育てています
(Q.愛を込めて?)
まぁそんな感じです

古藤さんは以前、役所で働いていたが、3年の雇用期間限定だったため、続けることができなかった。
現在は農園で1日6時間、週5日ほど働き、約13万円の収入を得ていて、以前の仕事より給料もアップ。雇用期間も限定されておらず、収入も安定してやりたいことが増えた。

古藤樹さん:
好きなアーティストのライブに行きたい。Snow Manです

古藤さんの雇用先は、化学素材メーカーの「日本精化」。愛情をこめて育てた野菜は、福祉施設への寄付や、社員食堂で使われる予定だ。

障害者雇用は難しい…その課題を乗り越えるために

日本精化では、従業員の大半が化学薬品など危険物を扱う工場に勤務していて、障害者雇用が難しいという課題を抱えていた。

日本精化 人事部長 西尾拓也さん:
いかにこれから障害がある人たちと共に“社員一体”となって、やっていけるかっていうのを考えていきたい

法定雇用率の達成を義務付けられている企業と、雇用期間の制限なく働きたい障害者との“架け橋”となる「わーくはぴねす農園」。現在、全国に34施設まで広がり、約3000人が働いている。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月9日放送)