木原誠二官房副長官は11日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、安倍晋三元首相の国葬に関し、天皇の葬儀「大喪の礼」とは根拠法が異なり、同列ではない、との認識を示した。「大喪の礼とまではいかない国葬というものがある」と主張した。

「大喪の礼」は、皇室典範に「天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う」と定められていて、憲法7条で天皇の「国事行為」としている「儀式を行うこと」にあたる。

木原氏は、安倍元首相の国葬は、内閣府設置法に基づいて行うもので「(法的)根拠が全く違う」と説明した。

また、新型コロナウイルスの水際対策について木原氏は、近くさらに緩和する考えを示した。1日あたりの入国者数の上限撤廃に意欲を示し、訪日観光客の査証(ビザ)取得免除や個人旅行解禁についても「一体で見直していく。そう遠からずやらなければいけない」と表明した。

木原氏は「円安の状況でインバウンド(外国人訪日)は最も(経済に)効く。日本は味覚の秋だ。紅葉、パウダースノーもある。日本に来たいと言ってくれる外国人が多数いる」と期待を示した。

政府は、9月7日から入国者数の上限を1日5万人に引き上げたばかり。木原氏は「これで事足りているかと言えば、足りていない」との認識を示した。

一方、防衛費の増額に関し、木原氏は、海上保安庁などの安全保障に関する予算を防衛関係費として一体的に計上するNATO(北大西洋条約機構)基準の算定方法の導入を検討する考えを示した。「ひとつの世界標準としてNATO基準というものがある。世界にしっかり説明できるものを考えていかなければいけない」と語った。

拡大する防衛費の財源について木原氏は「国債はだめだという立場は取らない。柔軟に考えたい」と話した。

以下、番組での主なやりとり。


橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):
僕は、安倍元首相は国葬に値するという立場だが、木原さん、明確に答えてもらいたい。天皇陛下の大喪の礼は国葬だ。安倍さんの国葬は同じ位置付けなのか。

木原誠二氏(内閣官房副長官):
(国葬は)憲法第七条の国事行為としての儀式に位置づけることもあるし、吉田茂国葬と同じように内閣府設置法、当時は総理府設置法だと思うが、これに基づいて決めるというのも両方ありえる。ただ、国事行為として位置付けたのは、憲法史上、大喪の礼しかない。また、国事行為としての儀式は、例えば、新年祝賀の儀、結婚の儀、即位の礼(がある)。これと今回の(安倍元首相の)国葬儀を同列で位置づけることが適切なのかどうかついて、私は慎重に考えるべきだとの立場だ。

橋下氏:
今回、政府は安倍さんの葬儀をなんとなくの勢いで国葬にして、大喪の礼とごちゃ混ぜになっているような状況は国を誤る。木原さんが「同列ではない」と言うのなら、(安倍さんのは)「国葬」とは言わずに、何か別の呼び方をしないと混乱する。

木原氏:
今回は内閣設置法に基づき、吉田茂元総理と同じ国葬の儀としてやるのが相応しいと判断した。

橋下氏:
はっきり言えば、「準国葬」だ。

木原氏:
大喪の礼は大喪の礼だ。

橋下氏:
国葬だ。

木原氏:
もちろん国葬だ。大喪の礼とまではいかない国葬というものがある。(法的)根拠は全く違う。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
円安の下で日本の経済をどう立て直していくか。水際対策は徐々に緩和しているが、もっと緩和してインバウンド(外国人訪日)をさらに呼び込むことで日本の経済活性化につなげたらいいのではないかという意見が根強くある。いま1日あたり入国者5万人の上限があるが、この上限をなくしてもっと呼び込むことはできないのか。

木原氏:
円安状況だから、インバウンドは最も(経済に)効くと思う。世界が交流を再開しており、我々も遅れをとってはいけない。7日から水際措置を緩和したが、これで事足りているかと言えば、足りていない。これから日本は秋に向かう。味覚の秋だし、紅葉もパウダースノーもある。日本に来たいと言ってくれる外国の方は多数いる。一日あたりの入国者数の上限、個人旅行(制限)、観光ビザ(取得要件)などは緩和に向けて検討し、しかるべきタイミングで実施していく。
岸田総理もG7(主要7か国)並みに水際措置を緩和していくと言っている。それに向けて7日に緩和をした。これを見ながら、次の(入国者)総数(上限)の撤廃、個人旅行(解禁)、ビザ免除などを一体的に見直していく。

橋下氏:
それはいつか。

木原氏:
そう遠からずやらなければいけない。(日本には)秋や冬の魅力がある。しっかりやるべきだ。

松山キャスター:
もう一つ。防衛費について岸田総理は「相当な増額」を約束しているが、財源をどうするか。自民党の国防部会などでは、例えば、「防衛納税」や「防衛国債」のような形でやったらどうか、という意見もある。
            
木原氏:
財源は中身による。長期にわたり調達していかなければいけないものある。国債はだめだという立場を私自身は取らないつもりだ。様々な財源を組み合わせていく。目標は防衛力の抜本的な強化であって、目標と手段を履き違えてはいけない。柔軟に考えたい。

松山キャスター:
防衛費の予算に、例えば、海上保安庁の安全保障にかかる予算も組み合わせて、いわゆるNATO方式という形で予算を組んでいくことを政府として検討しているのか。

木原氏:
これは年末に向けた国家安全保障戦略や中期防の見直しの中で議論していくことだ。大切なことは、世界標準で我々もしっかり頑張ろうということだ。ひとつの世界標準としてNATO基準というものがあるから、世界にしっかり説明できるものを考えていかなければいけない。