8月の記録的な大雨で、河川が氾濫して多くの住宅が浸水した滋賀・長浜市。
しかし、人的被害はなかった。その背景に何があったのか、取材した。
河川氾濫なのに人的被害ゼロ そのとき住民が取った行動とは…
8月5日、滋賀県を襲った記録的な豪雨。川が氾濫し、道路を覆いつくした。長浜市付近では午前6時半までの1時間に90ミリの猛烈な雨が降り、「記録的短時間大雨情報」が発表された。濁流は橋を飲み込み、住宅街に押し寄せようとしていた。

記者リポート:
当時、こちらの橋の上まで濁流が押し寄せたということなんですが…橋の一部が壊れたままで、まだ修復できていない状態です

あの日、住民たちはどう行動したのだろうか?
住民:
あそこ(橋脚)にレベル計が貼ってある、水位の。あれが0になった場合、道が浸水する。あそこまで来たら(0になるまでに)避難

住民:
橋に数字が書いてある。1くらいになったら避難をしようかなと

「人的被害ゼロ」の背景…河川の水位示す目印
この橋がある木之本町大見地区は、過去に何度も水害に見舞われてきたため、2年前に滋賀県と協力して、橋に水位の目印をつけた。

住民たちは、早ければ目盛りが1.0に、遅くても0.5になるまでに避難することにしている。水害当日も、午前8時にはほとんどの住民が橋を確認して、近くの高台へ避難を開始。

長浜市から避難指示が出たのは45分後で、その15分後の午前9時には川が氾濫した。

水位の目印は200年に1度の水害を想定して設置したものだったが、経験したことのないレベルの水害が起きてしまった。その結果、この地区の多くの住宅が浸水したが、住民約30人にけがはなかった。

木之本町大見地区 林義雄自治会長:
早めの避難を心がけるということだと思います。大したことなくても、空振りに終わったところで、「良かったな」と

大雨から命を守るために、行政が出す避難情報だけではなく、一人一人の避難の意識が大切だ
(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月5日放送)