多くの相撲部屋が集まる東京・両国。

国技館の周辺には、舌のこえた力士たちを満足させる名店がズラリと並ぶ。

9月4日放送の「ジャンクSPORT」(フジテレビ系)では、今回は相撲界のグルメ力士と大相撲が大好きな芸能人たちを招き、「力士に聞いた!両国最強グルメランキングSP」を放送した。

宇良の“名店”はマクドナルド?

お肉が大好きな貴景勝
お肉が大好きな貴景勝
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肉が大好きな貴景勝は、「焼き肉しか食べない」と強調。

「焼肉食べないと夜は眠れない」と話し、自身が行ったお店の評価「肉ランク」をメモしているという。ただし、「基本的には味が大事なんですけど、おしゃれなお店は大嫌い。煙を浴びるお店が好きです」とこだわりを明かすと、ゲストのウルフ・アロン選手もうなずく。

ランキング内でグルメな力士たちが名店を挙げる中、宇良は「マクドナルド」が自身の中でナンバーワンだと語る。宇良は「一番安くて気軽にタンパク質が摂取できる。自分の場合はマクドナルドが主体。ダブルチーズバーガーとエッグチーズの2択です」と話した。

毎日、妻の手料理を味わう阿炎
毎日、妻の手料理を味わう阿炎

力士にとって「食事」をすることも大切。2020年に結婚した貴景勝と阿炎は自宅でどんな食生活を送っているのか。

阿炎は「奥さんが毎日ご飯を作ってくれる。特に自分が『伝説のすた丼』というチェーン店が好きなので、真似て作ってくれています」とのろける。

「今日はこれを作って」と伝えているという貴景勝は「タンパク質、炭水化物、脂質を全部考えて。簡単なものですが、現役中は体のことだけ考えおけばいいので、肉・卵・ご飯です」と明かした。

9月11日から9月場所が両国国技館で始まる。本場所中の15日間、力士たちはどんな食事をとっているのか。

貴景勝は「ストレスや疲れで痩せやすくなり、場所前より稽古量も落ちるので、タンパク質を多めに摂らないと筋肉のハリも悪くなる。僕は卵が1番吸収もいいので、温泉卵で1日10個は場所中に食べます。若い衆が朝、バケツに卵20個くらい入れて温泉卵を作ってくれる」と語る。

一方、阿炎は「自分は緊張で体重が減っていくので、うどんを食べて体重をキープしている。冷凍うどんを昼夜2玉ずつ食べている。それが体に合っていたので、毎日15日間やっています」と話した。

お肉部門ベスト10

さらに番組では、相撲協会全面協力のもと、力士から親方まで合計97人にアンケート。「お肉」「町中華」「ラーメン」「スイーツ」の4部門でランキングを発表した。

【店名・オススメメニュー】
第10位 ビリー・ザ・キッド「テキサス・ステーキセット」
第9位 井のなか「肉の盛り合わせ」
第8位 炭良(スミヨシ)ホルモン「上タン塩」「ネギめし」
第7位 レストラン クインベル「牛タンシチュー」「牛ヒレカツサンド」
第6位 ONAKANO MIKATA「焼きしゃぶ」

第10位は「ビリー・ザ・キッド」。

450グラムの「テキサス・ステーキセット」は力士たちの定番メニュー。味付けをカスタマイズし、ニンニクをたっぷりとかけて食べるのが大人気だという。

ウルフ・アロン選手は、ニンニクのボトルを1本使い切る力士もいるという話に、「次の日の練習が気になります…」と心配すると、貴景勝は「めっちゃ臭いっす」と顔を歪ませる。

また貴景勝は「若い衆がビリーに行ったら、朝の挨拶で分かります。歯磨きとか通用しない」と話すと、番組MC・浜田雅功さんは「同じこと大関もやっているんですよ」と問いただすが「自分はわからないんで」とはぐらかした。

“スー女”から大人気の千代丸
“スー女”から大人気の千代丸

第6位の「ONAKANO MIKATA」は、“スー女”から「かわいい」と大人気の千代丸が常連。

千代丸が頼むのが、看板メニューの焼きしゃぶ。牛一頭から約2キロしか取れない希少部位「ササミ」を薄くスライスし、さっと炙って生卵に浸して口の中へ。

千代丸は「美味しいっす。ご飯も進むんですよ。すごくさっぱりしています。脂がしつこくないので、食べたら食べた分だけ痩せると思います」と笑顔を見せた。

お肉部門トップ5

【店名・オススメメニュー】
第5位 肉ですみだ「超絶品黒毛和牛のユッケ」
第4位 わとん
第3位 冨味屋「タン」
第2位 ゆきだるま
第1位 牛車「ハラミ」

第5位「肉ですみだ」の人気メニューは「超絶品黒毛和牛のユッケ」。

保健所の厳しい審査をクリアした、墨田区で3店舗のみが許される生肉の提供。A5ランクの黒毛和牛のロースを使い、秘伝のタレなどで味付けしている。

第4位は「わとん」。

「ボリュームがある。トンカツは肉厚で美味しい」と若元春。力士たちが毎日弁当を買いに走るトンカツ店で、昼時は客が絶えない。

メニューはおろしとんかつ弁当やハンバーグ弁当など10種類。どれも大盛りご飯に豚汁をつけて700円とリーズナブル。

第3位の「冨味屋」は、10坪ほどの小さなお店に、大関・貴景勝が通い詰める焼肉店。必ず注文するのがタン。表面をこんがり焼いて、たっぷりとニンニクを乗せて食べるのが貴景勝スタイル。

「冨味屋」には「週に一回くらい。昨日も行きました。これはおいしいけど、これはおいしくない焼肉店はあるんですけど、ここは全部美味しい」と貴景勝の舌をうならせる。

さらに、「裏メニューで玉子焼きもあるんですけど。めちゃくちゃおいしい」と明かす。

ももいろクローバーZ・高城れにさんは、常連ならではのメニューなのか聞くと、「言ったら絶対いけると思います」とオススメする。女優の紺野美沙子さんが、テレビで紹介すると人気が出てしまうと心配すると、「一緒に行きましょう」と誘う貴景勝。

その会話に高城さんや玉井詩織さんも「ついて行ってもいいですか?」と身を乗り出した。

ももいろクローバーZ・玉井詩織さん、高城れにさん
ももいろクローバーZ・玉井詩織さん、高城れにさん

第2位「ゆきだるま」は、元幕内力士の若孔が店主を務め、数え切れないほどの力士が訪れる最高峰のジンギスカン。

90分食べ放題で飲み放題もついて4890円と、力士に優しい値段も好評。さらに、熱々のほうじ茶を肉や野菜のうまみがたっぷり溶けたタレに注ぎ、茹でたての卵麺をくぐらせて食べるシメのつけ麺も名物だという。

この店を訪れたことがあるというウルフ・アロン選手は、「お肉が新鮮で美味しくて、それでお腹いっぱいになって。(シメの)つけ麺の存在を知らなかった」と肩を落とした。

最近「牛車」に通うようになった理由を語る井筒親方
最近「牛車」に通うようになった理由を語る井筒親方

第1位「牛車」は、相撲部屋がたくさん集まる両国エリアに2店舗あり、朝青龍や日馬富士、白鵬、千代の富士ら多くの力士の胃袋を支えてきた。

特に朝青龍は入門当初から通い詰め、人気の「ハラミ」を好んで食べていたという。

さらにコロナ禍で通えなくなった力士の頼みで「特製ハラミ弁当」も登場。一般の人も事前の予約で購入可能だという。

井筒親方は「値段の割に本当に美味しいんですけど、行きだしたのはここ最近。朝青龍がよく来ていたので、怖いじゃないですか。予約で電話して『朝青龍来ていますか?』と聞くといるんですよ」とこれまで通えなかった理由を明かした。

町中華ベスト3

【店名・オススメメニュー】
第3位 蜀食成都「四川麻婆豆腐」
第2位 中華や「ショウガラーメン」「チャーハン」
第1位 生駒「麻婆カレー飯 排骨のせ」

第3位の「蜀食成都」は、八角理事長も唸らせる絶品町中華。

第2位の「中華や」は、町中華ならではの“ボリューミーリーズナブル”なメニューが力士たちに大人気。

現役時代からのファンだという元横綱・稀勢の里こと二所ノ関親方は「ショウガラーメンとチャーハン」をよく頼んでいたと明かした。

「生駒」の排骨とイカ団子を試食するウルフ・アロン選手
「生駒」の排骨とイカ団子を試食するウルフ・アロン選手

第1位は昭和49年に創業した台湾料理の名店「生駒」。

イチオシメニューは、カレー風味の麻婆豆腐に名物「排骨(パーコー)を乗せた「麻婆カレー飯 排骨のせ」。井筒親方は、白星がほしいときはイカ団子を頼み、ゲン担ぎをしていたという。

ラーメン部門ベスト3

【店名・オススメメニュー】
第3位 よかろうもん「ネギラーメン」
第2位 竹末東京プレミアム「味玉鶏ホタテそば」
第1位 らーめん 漢「漢セット」
番外編 炭火焼肉 慶k(けい)「冷やし塩ラーメン」

第3位の「よかろうもん」は、歴代名横綱たちが愛したこだわりの店。中でも大分産の青ネギをたっぷりのせた「ネギラーメン」が人気。

九州出身の千代丸は「ガツンと豚骨なんです。福岡でラーメン食べている人が、東京で食べるなら『よかろうもん』の豚骨ラーメン」と推した。

第2位は「竹末東京プレミアム」。

炎鵬が週4で通う、ドハマリラーメン店。

「味玉鶏ホタテそば」は国産鶏をメインに丸1日かけて煮込んだ白湯スープに北海道産のホタテを秘伝の味噌と煮込んで作った特製ペーストをトッピングしている。

一口食べて炎鵬は「とびます。はじめはスープをそのまま飲んで、鶏ホタテペーストをちょっとずつ崩して自分好みの味に変えていく」とこだわりの食べ方も披露。完食後は「黒トリュフとチーズの〆リゾット風」を残ったスープの中に投入して食べるという。

第1位は「らーめん 漢」。

背脂の浮いた東京豚骨の濃厚スープが中太麺に絡むラーメンと、甘辛いタレを絡めたレバーと深谷ネギが絶妙なハーモニーを奏でる純レバ丼が一緒になった「漢セット」が力士たちを虜にしている。

独特な空気を醸し出す宇良
独特な空気を醸し出す宇良

常連の宇良が必ず頼むのが「ウラメニュー」。幕下時代、太るのに苦労していた宇良に、大きくなってもらおうと店長が考案した一品。チャーハンに卵と厚切りチャーシューを3枚のせ、マヨネーズ入りのあんがたっぷりかかっている。

宇良は「体を大きくするために作っていただいたメニューなので、これで一杯3000キロカロリー摂取することができます」と話し、周囲を驚かせる。

1日に1万キロカロリーを摂取するという宇良に対し、他の力士たちはあまり意識したことないようでポカンとした表情に。浜田さんが「ちゃんと計算して食べてはるということですね」と感心すると、「ちょっと盛ってしまった」とこぼした。

待ちに待った試食「絶品冷やし塩ラーメン」に箸が止まらない
待ちに待った試食「絶品冷やし塩ラーメン」に箸が止まらない

ラーメン店ではない店が最多得票だったということもあり、焼肉店「炭火焼肉 慶k」の絶品冷やし塩ラーメンを番外編として紹介。

専門店顔負けのメニューに、徳勝龍は「冷やしなのでスッと喉越しがよくて、肉を食べたあとでもいける」とオススメした。

スイーツ部門トップ3

角界きっての甘党、芝田山親方が両国周辺のスイーツを厳選。

第3位は「韻松亭」。上野公園の敷地内に佇む、老舗会席料理店の和スイーツ「麩万頭」。

第2位は「Fruit Chef The Shop」。フルーツ専門店のスイーツショップとしてスイーツ好きの間では知る人ぞ知る名店。

第1位は「パティスリーフォブス」のゴーフレット。

力士たちの舌を唸らせた数々の名店。こうした絶品グルメたちが力士たちの強靭な体を作り上げているのかもしれない。