夏から秋にかけての時期に動きが活発になるスズメバチ。岐阜県関市の民家に巨大なスズメバチの巣が見つかり、難しい駆除の一部始終に密着した。
「田舎なのでハチを気にしない」そのまま巨大化
巣が見つかったのは関市の旧洞戸村(ほらどむら)。近くには板取川が流れる自然豊かな集落の民家だ。

野村栄さん:
洗濯物干ししよると出入りしよった。ここハチの巣作っとるぞと思って

この家で一人暮らしをする野村栄さん(88)は、約30年前から毎年のようにスズメバチを見かけているという。
野村栄さん:
気にせん。私も田舎もんやもんで、ハチを気にするようなことはなかったね
これまであまり気にしていなかったそうだが、お盆に帰省した孫たちが巨大化した巣を見つけ、本格的に撤去することを決めた。
野村さんの長男:
今回は孫たちが来て危なかったので。これはしっかり駆除しなきゃダメだなと思って。4つもあったら、こりゃあかんなと思って

依頼を受け駆けつけた駆除業者の大井宏介さん。屋根裏を覗き、作戦を練る。
駆除業者 大井宏介さん:
モンスズメバチといって、攻撃性が高く、夜でも活動する少し珍しい種類です。巣を見ました、大きいですね。屋根裏の狭い空間で防護服を着ての作業になりますので、難易度高めの作業になります
ハチは「モンスズメバチ」という種類で、昼夜関係なく活動し攻撃性が高いという。

巣を崩しながら…薬品で一網打尽
巣をつくった屋根裏は大人が歩くと落ちてしまうので、まずは大工が足場を作ることに。しかし…。
大工の男性:
さっきからこうやって退治しながらやっとったけど。怖いんだよ〜。あんな方まで行けんわね、こんな状態で怖い
異変を察し、大工さんに襲い掛かるスズメバチ。ノコギリで撃退しながら作業を進める。

そして…。
駆除業者 大井宏介さん:
薬品で一網打尽にしてしまおうという考えです。巣がちょっと大きすぎるので、崩しながら撤去していくようなかたちで
ここからようやく駆除作業をスタート。宇宙服のような防護服に身を包み、足場の上を進む。

まずは手前のスズメバチがいない古い巣を取り外し…。

新しい巣までたどり着くと、巣に向かって殺虫剤を噴射。

スズメバチを弱らせてから、道具を使い少しずつ巣を崩していく。

4つの巣をすべて撤去「これで一安心」
駆除業者 大井宏介さん:
今できているものは全部撤去できまして。こっちが2021年以前の巣で、そのままの状態になっていたもの
野村栄さん:
すごいねえ。えらかったやろ、汗だくだくで
駆除業者の大井宏介さん:
こっちが2022年の巣

屋根裏にべったりとくっついていた巣をきれいに取ることができた。

野村さんの長男:
すごいねえ、おっきいよね、やっぱり。幼虫が動いてるもん
野村栄さん:
(幼虫を)油で炒めて食べたんだよね、昔は。一安心、一安心やね。ありがとうございました

約1時間にわたったスズメバチ駆除大作戦。

しばらくは薬をまいて、新しい巣ができないようにするという。
(東海テレビ)