新型コロナウイルス「第7波」の中、大きく増えているのが自宅療養者数だ。医療のひっ迫を避けるため、軽症や無症状の患者は自宅療養を求められていて、愛媛県だけでも8月23日現在、2万5,000人を超えている。

自宅療養で実際に役立ったものは?

感染が身近になった今、自分がもしも新型コロナで「自宅療養」になってしまったら…。その準備できているだろうか?

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ーー自宅療養に備えた準備は?
街の人:

カップラーメンとかは普段の地震とかの備えで、ある程度置いているので(食料は)そういったので、まかなおうかなとは思ってますけど

街の人:
スープとかだったら飲み込みやすいことがあるかも

ーー買い物に行ける人がいなかったら?
街の人:

そういう場合は、今まで利用したことはないけど、ウーバーイーツを考えてます

自宅療養中の家族から家庭内感染が広がったという県外在住の男性も、「事前の食料確保」が大事だったと振り返る。

自宅療養を経験した男性:
最初に子どもたちが感染し、子どもの分の食器をアルコール消毒やったり気を遣いながら対策してたんですけど、家族全員かかってしまったので、インスタント食品とか食料品を普段から買い込んでいればなと思いました

一方で、松山市の40代の会社員の女性は、家族が感染し自宅療養となったものの、様々な対策により家庭内で広がることは避けられたという。

家族の自宅療養を経験した女性:
重宝したのが紙皿と紙コップです。感染した家族には、これに料理を盛って出しました。洗うのが大変だし、ストレスが溜まるので

この女性は、7月に家族が感染したため、自宅待機に。こまめに窓を開けて扇風機も使いながら、部屋の換気をするなど対策を徹底。家庭内感染は広がらなかった。

陽性だった家族は喉の痛みや39度の発熱を訴え、感染初期はうどんやゼリーなど、喉越しのいいものしか食べられなかったそうだ。

喉の痛みについては、自宅療養を経験したという先ほどの県外の男性も「食べ物はゼリーとか、そういうのを食べてましたね。喉あめは常になめてました」と話していた。

「箱買い」する人も…喉の痛みや発熱の対策を

愛媛県内の大手ドラッグストアチェーンによると、第7波以降、喉の炎症を抑える薬や喉あめなどの売り上げは、例年の同じ時期に比べ2倍以上に伸びているという。

レデイ薬局商品部・賀屋隆行さん:
こういったゼリー飲料、発熱時の体力を消耗した時に栄養を取りやすいということで、よく売れております。大人だけでなく子どもも感染という方もいらっしゃいますので、お子さまでも気軽に飲めるものを展開しています

いざという時に備えようと「箱買い」する人も増えているという。

愛媛県立衛生環境研究所・四宮博人 所長:
オミクロン株(BA.5)の特徴は、上気道に症状が強く出るので、喉がすごく痛いと。軽症であっても発熱することもあるので、解熱剤の準備ですね。自分の体調が悪くなるかもしれない前提で、そういうものを準備する

自宅療養を経験した人:
熱・鼻水・咳、風邪症状が全部出た。熱を冷ますシートとか、冷やす枕は助かりましたね

また、ドラッグストアでは感染が急拡大し始めた7月上旬以降、熱中症への対策も併せて、体の熱を冷ます「冷感スプレー」や「冷却シート」などが例年よりよく売れているという。

このほか、今、多くの人が購入しているのが「抗原検査キット」だ。

さまざまな場面で事前の感染確認が必要なケースも多い中、ここ1カ月で、第6波のピークだった2022年1月の2倍にあたる3万個が売れていて、毎日品薄の状況が続いているという。

第7波で感染の主流になっているオミクロン株の「BA.5」は、重症化する人は少ないと言われているが、「喉の痛み」や「高熱」で動けないといった強い症状が出る人も多くなっている。
こうなると一人暮らしの人などは特に辛くなり、だからこそ事前の備えが大切になってくるのだ。

オミクロン株の急速な感染拡大により、松山市などは当初行っていた自宅療養者向けの配食サービスについて「全てに対応するのは困難」として、現在は基本的に個人で備蓄しておくよう呼びかけている。

食べ物や飲み物は何を用意する? 災害時の備えとほぼ同じ

どういったものを備蓄しておくとよいのか。

まずは、みなさんが気にしていた「食べ物」。
厚生労働省がホームページに例として挙げているものだが、まず、熱が出ると料理をするのも大変なので、手軽に調理できる冷凍食品やレトルト食品が役立つ。

そして、うどん・白米など、日持ちする主食と缶詰、脱水を防ぐための飲み物。
これはスポーツ飲料などのほか、先ほど家族が自宅療養していたという女性は野菜ジュースなどもあったほうがよかったと話していた。

さらに喉の痛みが強く出るケースが多いので、ゼリー飲料や果物、喉あめなど、喉に刺激を与えずに食べられるものがあると安心だ。

また、食べ物以外で準備しておいたほうがよいものが、発熱時に必要な市販の解熱剤のほか、トイレットペーパーやゴミ袋などの衛生用品も多めにストックしておくと安心。

こう見てみると、災害時の備えと同じといえる。

また、家族の誰かが感染した場合、食器や洗濯物は、感染した家族と他の家族のものを一緒に洗っても問題ないが、消毒など感染対策に気を使いながらの生活は、健康な家族にとってストレスが大きくなる。

紙皿や紙コップ・使い捨ての手袋を使う、食事も民間の宅配サービスを利用してみるなど、「家事の負担をできるだけ少なくして過ごす」よう工夫し、生活のストレスを減らすことも大切になりそうだ。

(テレビ愛媛)

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