防衛省は10日、島田和久防衛相政策参与から退く人事を発表した。島田氏は安倍元首相の秘書官を長く務め、その後、防衛省の事務方トップ事務次官も務めていた。
政策参与は、防衛相に政策的なアドバイスを行うポストで、島田氏の退職は10日付け。内閣改造で就任した浜田防衛相が判断したという。防衛省顧問としては残る。
島田氏が政策参与に就いたのは、事務次官を退任した7月1日で、わずか1カ月余りの在任期間となった。
島田氏は、安倍内閣で首相秘書官を長く務め、2020年に防衛事務次官に就任。関係者によると、次官退任の際には、安倍元首相の実弟である岸防衛相(当時)が島田氏の留任を求めたにも関わらず、官邸サイドの意向で交代となったという。
島田氏が防衛事務次官に続き、政策参与を退くことは、岸田政権での安全保障政策における”脱・安倍路線”との見方もあるが、岸田首相は10日に、岸前防衛相を首相補佐官に任命し、会見では防衛力の抜本強化について「安倍元首相の様々な意見も念頭に置きながら、議論を深めていきたい」と述べている。