28日、東京の新型コロナの新規感染者は初めて4万人を超え、過去最多となった。救急医療の最前線はすでに深刻な状況となっている。

「爆発的な感染状況が続いている」

東京・渋谷駅前に設けられた電光掲示板で、午後4時45分すぎ、東京都の新規感染者が初めて4万人を超えたというニュースが速報された。

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このニュースに街の人は……。

30代:
すごい増えたなという印象ですね

50代:
短期間で一気に増えてしまいましたね

40代:
先週の時点で世界一になってしまっているって聞いて、こんなにマスクをしてワクチンも打ったのに、どうしてそんなにたくさんなってしまうのか

28日、東京都で新たに感染が確認されたのは4万406人。1週間前より8528人増えた。

午後5時ごろから始まった、東京都のモニタリング会議に出席した専門家は…。

国立国際医療研究センター・大曲貴夫 国際感染症センター長:
新規の陽性者数の7日間平均でありますが、過去最多となり、爆発的な感染状況が続いております。増加比は約180%です

搬送する病院が決まらない…“救急搬送困難事案”1週間で6035件 

止まらない感染急拡大の波。それに伴い問題になっているのが救急搬送だ。

ここは、東京都23区の119番通報が集まる災害救急情報センター。

救急要請を示す緑のランプが多く点滅していて、職員が対応に当たっている。

「どうしましたか?」「PCRの検査待ちですか?」各スタッフが対応に当たるなか、別のスタッフが全体に聞こえるように「江戸川区コロナです」と声を上げた。

救急車が到着しても、搬送する病院が決まらないケースも増えているという。総務省消防庁によると、7月18日から24日までの1週間に、全国の主な52の消防で「救急搬送困難事案」が6035件発生。そのうち、新型コロナの感染疑いは2676件に達し、第6波を超え過去最多になったという。

「マンパワー減ってきている」医療スタッフも発症者や濃厚接触者に 

医療現場も逼迫している。

埼玉県熊谷市の埼玉慈恵病院では、発熱外来を設け1日60人を受け入れているが、午前中にすべての予約が埋まってしまうという。

訪れた人への検査は原則、車やプレハブの中で実施。

28日午後に行った抗原検査の結果を見ると、線が2本出ているのが陽性で、17人中13人が陽性を示した。

この病院には、発熱以外にも熱中症やけがをした人も運ばれていて、医療体制は限界に近づいているという。

埼玉慈恵病院・藤永剛副院長:
例年、この時期だと熱中症で緊急患者も増えますし、加えて医療スタッフの中でも発症者や濃厚接触者が出たりして、マンパワーが減ってきている

WHO(世界保健機関)によると、先週1週間で世界で最も感染者が多かったのは、96万人以上の感染が確認された日本だった。

28日、全国知事会が3年ぶりに対面形式で開催され、政府に対し、基本的対処方針の見直しを求める声が出た。

(「イット!」7月28日放送)