第7波の到来で、新規感染者数は過去最多を更新、自宅療養者が急増している。大切な家族に感染を広げないためのポイントを聞いた。
最前線で療養者を支えた看護師が、ポイントを直伝!

教えてくれたのは、石川県看護協会の上野谷優子(うえのや・ゆうこ)さん。金沢市の軽症者用ホテルで看護スタッフとして勤務していたほか、訪問看護の場や高齢者福祉施設などで感染予防を指導している。
石川県看護協会・上野谷優子 看護師:
「感染を広げない」というのがとても大事なので、接触の仕方、感染予防の仕方、その辺をきちんとしないといけないと思っています
まずは、感染した人が過ごす療養部屋を準備し、患者は基本的にその部屋で過ごすようにする。

準備しておきたいのは「体温計」「体調チェック表」「着替え」「タオル」「経口補水液」「ゼリー飲料」「携帯」「タブレット」などだ。

部屋から出る回数を極力減らすため、着替えやタオル、経口補水液、ゼリー飲料など、あらかじめ必要なものを多めに置いておく。

また、役に立つのがゴミ袋だ。

石川県看護協会・上野谷優子 看護師:
食事が1回終わったら、残飯は小さいゴミ袋に入れて、口をしっかり閉じてゴミ箱に捨てます。小さいゴミ袋は非常に便利です。ゴミ箱の中に、密閉した小さな袋が一杯たまっていくような形をイメージして頂けたらいいと思います

ゴミがたまったら、部屋の前に用意しておいたバケツに捨てる。

そのバケツにも、あらかじめ何枚かごみ袋を重ねてセットしておくといい。バケツにゴミがたまるごとに、上から順に取り外して捨てていけば、交換の手間や感染のリスクも減らせる。

また、患者と家族の接触を避けるため、食事はお盆にまとめてドアの前でやり取りする。

食べた後は、食器や残飯をゴミ袋に入れ、飛沫が飛び散らないようにする。
洗濯、お風呂は? 家族の支えが心のケアに

自宅で生活するとなると、患者の衣類は、他の家族のものと一緒に洗っても大丈夫か気になるが…。
石川県看護協会・上野谷優子 看護師:
普通に着ていて汚れがついていないものは、一緒に洗って頂いて何ら構わないです。ただ、嘔吐していたりと汚れている場合は、念のために80度のお湯で5分間つけるということをして頂ければ、安心して洗えるのかなと思います

また、患者がお風呂に入る場合は、家族の中で最後に入るようにする。

更に、タオルは共用しないことが重要だ。

洗面所やトイレなど、患者が使った後は、必ずアルコールで丁寧にふくことなどを徹底してほしい。

そして、大切なのは家族の支えだという。

石川県看護協会・上野谷優子 看護師:
一人でいると多分鬱鬱としてしまいます。そうすると病気にもいい影響がないので、携帯電話などで他愛もない話をするだけでも心が軽くなると思います。一緒に頑張ろうという形で笑うことができれば一番いいかなと思います
今回は「大人の自宅療養患者がいる」ケースだが、小さな子どもなど、付きっ切りの看病が必要な場合は、もう一段上の対応が必要となる。療養解除までの10日間、上手に乗り切るためにも家族のサポートが鍵となる。
(この内容は2021年5月に取材したものです。2022年7月現在、変更点がないことを確認し掲載)
(石川テレビ)