大好きなふるさと、愛媛・西予市野村町にUターンして、地域おこし協力隊として活動する男性がいる。一度離れたからこそ感じられた、ふるさとの魅力。協力隊の男性と野村の町を歩いた。
西日本豪雨がきっかけで野村町に帰郷
名護谷希慧アナウンサー：
野村町を見下ろせる場所にあがってきました。まちのシンボル・乙亥会館に、そばを流れる肱川、その近くに黒い建物があります。あの辺りの畑で、今、農業をミッションに活動している協力隊さんにこれから会いに行きます
畑にいたのは協力隊の土居勝芳さん。地元・野村の出身。
土居勝芳さん：
ここはちょっと草いっぱい生えてるんですけど、ニンジンの畑で
名護谷希慧アナウンサー：
今ですか？時季は
土居勝芳さん：
今ですね、みんな。露地では今ニンジン真っ盛りです。根っこの方を持って、キュッキュッて引っ張ってみてください
名護谷希慧アナウンサー：
一気に抜けました。気持ちがいい。スッと抜ける瞬間が。これ、取れるのうれしいですね
土居勝芳さん：
楽しいんですよ。引っこ抜くのが楽しい
以前は松山で建築関係の職人だった土居さん。ふるさと・野村に帰った今、農業だけでなく、田畑を荒らすイノシシなどへの対策のため狩猟の免許を取ったり、地元の森林を守ろうと間伐を行ったりと新たな活動へのチャレンジを続けている。
名護谷希慧アナウンサー：
そもそも、どうして協力隊を野村でしようと思ったんですか？
土居勝芳さん：
ずっと帰りたくて。4年前の豪雨の時に、「あっ、ヤバい。これ、うかうかしてられん。早よ帰ろ」って思って。30年以上も離れてたんですけどね、どうしても好きで
そんな土居さんに農業の手ほどきをしている「師匠」がいる。
土居勝芳さん：
立派なハウスでおいしいトマトを作られてるんで。おいしいトマト！これはヤバい
土居さんが師匠と慕う、くまさん農園の熊谷琢磨さんを訪れた。
名護谷希慧アナウンサー：
土居さんにおいしいトマトがあるときいてやってきたんですが、なってますね
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
だいぶ終盤にはなってきたんですけど、これがうちの「うるるんトマト」っていうトマトです
うるるんトマトとはいったい！?
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
外側の皮を「外果皮」っていうんですけど、この外果皮がものすごく薄くて、その中にある「中果皮」っていう、ミニトマトの苦手な方はその中果皮っていうのが食べにくいんで嫌がるんですけど、それがかんだ瞬間にとろっと溶ける。食べて心が潤って、そして同時に体も潤う。潤いたっぷりのうるるんトマトっていうところから、その名前をつけたんです
潤いたっぷりのうるるんトマトは、からだのサビを防ぐという抗酸化力が、一般的なミニトマトの3倍から4倍も。栄養もぎゅっと詰まっている。
名護谷希慧アナウンサー：
甘い！びっくり！
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
さっきよりきれいになった
名護谷希慧アナウンサー：
早い。効果があっという間に(笑)本当に柔らかいというか、ジューシーですね
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
かんだ瞬間、中に甘いジュースが広がる
実はもともと花の生産者だった熊谷さん。どうして、トマト栽培を始めたのか。そこには意外なつながりがあった。
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
これも全部、花を植えるための鉢です。これはホームセンターとかに転がってる花を出荷する時のケースです
花に使う小さな鉢だからこそ、肥料や水分の量を微調整しやすくおいしいトマトに。品評会で賞をもらうなど高い評価を受けている。
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
実はミニトマトっていろんなの食べたことなくて、最初は良さにも気が付かなかったです。1年、2年経つうちにみんなが騒ぎ始めて
周りの後押しもあったうるるんトマトの栽培。花からトマトに切り替えたのは4年前。きっかけは西日本豪雨だった。
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
みんなに見守ってもらいながら作ったような、この地域の災害復興のツールになってるかもしれないですね
名護谷希慧アナウンサー：
復興のひとつなんですね
くまさん農園・熊谷琢磨さん：
象徴ですかね
大人も子どもも集まる場所「せいけテラス」
土居勝芳さん：
僕が大好きな所なんですけど、ここですよ、ここ
名護谷希慧アナウンサー：
ここ？これ？倉庫のような、工場って書いてありますけど
土居勝芳さん：
ここはもう野村でイチ押しのおすすめスポットです
名護谷希慧アナウンサー：
なんていう場所なんですか？
清家卓さん：
ここは「せいけテラス」と自分で勝手に命名しています
名護谷希慧アナウンサー：
あ、清家さんだから？横に空いた缶がたくさん
土居勝芳さん：
きのうの残骸やないですか
清家卓さん：
きのう3人で(笑)
清家卓さん：
みんなでちょっと飲みたいっていって、「きょうやりますよ。せいけテラス開けます！」ってラインでピピピッてやると、来たい人が集まってくる。清家さんがバーベキューのマスターなので
名護谷希慧アナウンサー：
マスター？
清家卓さん：
インストラクターの資格を持っています
「肉を焼くプロ」清家さんの趣味の場所という「せいけテラス」は、お酒を「飲む村」=「野村」ならではの、みんなが集まれるスポット。
もともとは車の修理工場だったそうでだが…
清家卓さん：
今はこういった楽しいアミューズメントパークに(笑)
なんと、奥にはボルダリングの壁が。清家さんの父親の手作りなんだそう。せっかくなので名護谷アナウンサーも挑戦してみた。
名護谷希慧アナウンサー：
ここからどうするんですか？
清家卓さん：
手を伸ばす！
名護谷希慧アナウンサー：
無理そう！この上は無理です(落下)
清家卓さん：
遊んだ後は子どもたちに。名護谷さん、どうぞ。お疲れさまでした
名護谷希慧アナウンサー：
まさか、ここでソフトクリームいただけるとは。普通、家にはないですよね
清家卓さん：
あっ？ないですか？
清家卓さん：
根本的なものは、おもろいかなと思って、自分が面白くて、みんなも面白かったらいいかなと
土居勝芳さん：
楽しいっすわ、本当に。農作業もなんでもそうですけど、飲むのも楽しいし、もっと早く帰ってきたらよかったなくらいは毎日楽しいです
清家卓さん：
来ていただいて、こちらも楽しいし、やりがいがあります
名護谷希慧アナウンサー：
お店の方みたい
清家卓さん：
営業はしてません
（テレビ愛媛）
