26日、岸防衛相は旧統一教会との関係について「付き合いがある」と明言した。一方、FNNは自民党が2022年5月に開催した集会の案内状を独自に入手した。

岸防衛相 会見で「お付き合いもありますし」

岸防衛相は26日の会見で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を認め、こう発言した。

岸防衛相:
(旧)統一教会の皆さま何人かは存じ上げています。お付き合いもありますし、選挙の際もお手伝いをいただいたりしております。電話作戦等ですね。そういうところはあったと思います。ボランティアのベースでお手伝いをいただいたケースもあると思います

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安倍元首相の実の弟である岸防衛相。選挙の際に旧統一教会メンバーの手を借りたことがあると明らかにした。

岸防衛相:
選挙ですから支援者を多く集めることは必要なことだと思っております

安倍元首相と岸防衛相の祖父・岸信之元首相と旧統一教会のつながりは…

旧統一教会とのつながりが取り沙汰されているのが安倍元首相と岸防衛相の祖父、岸信介元首相。

19日に韓国・ソウルで会見した旧統一教会の“元ナンバー2”とされるカク・ジョンファン氏は、教団創始者の文鮮明氏と岸信介氏との関係について「利権や宗教的な関係は全くない」としながらも、創始者の文氏と岸信介氏が近い間柄だったと話していた。

旧統一教会“元ナンバー2” カク・ジョンファン氏(19日):
我々の文鮮明総裁は岸元首相(安倍元首相の祖父)と近しくされていました

26日の会見で岸防衛相は「今後の選挙でも旧統一教会に手伝ってもらうのか」との質問に、こう答えた。

岸防衛相:
あくまでもボランティアのベースでございますので、次の選挙でどうなるかはお答えできない

茂木幹事長「自民党として組織的関係はない」

一方、自民党の茂木幹事長は、旧統一教会との間に「自民党として組織的関係はない」と強調した。

茂木幹事長:
自民党として組織的関係がないこと、しっかりと確認をしております

その上で所属議員に対し、「厳正かつ慎重な対応をするように、さらに注意を促していきたい」とした。

約20人の議員が笑顔でガッツポーズ その懇談会とは…

安倍元首相の銃撃事件の後、次々と明らかになる旧統一教会と政界のつながり。

2021年6月、衆議院第一議員会館で開かれた懇談会で、笑顔でガッツポーズをしているのは、およそ20人の自民党議員。

これは、世界平和の実現などを目的として設立された「日本・世界平和議員連合」の総会の様子。居並ぶ議員らの中心には、衆院議長就任前の細田博之氏の姿も。

2021年時点の役員名簿を見ると、細田氏の名前は名誉会長の欄にあった。この名簿で、顧問の一人の肩書きとして記されていた「UPF-Japan」は、旧統一教会の友好団体である。

壺などを高額で販売する霊感商法や多額の献金などが社会問題化した旧統一教会。

3年前にUPFが名古屋市で会合を主催した際は、文鮮明氏の妻で現在、総裁を務める韓鶴子氏も登場した。

この会合で細田氏は挨拶に立った。

自民党・細田博之氏:
安倍首相にも私は始終話をしておりますので、きょうの盛会を安倍首相に早速ご報告したいと考えております

FNNが入手した、2022年5月に世界平和議員連合から出された案内状には、所属議員は80人を超えるとある。

そこで、役員に名を連ねていた自民党現役議員11人の事務所に質問状を送り、「議連の活動」と「旧統一教会との関係」を聞いた。

期限までに回答を寄せたのは3人。

当選5回の伊東良孝衆院議員は、議連の役員としての活動状況について「北海道選出の年長議員として名前を貸してくれと言われ、承諾した。活動実績はゼロで何もない」と回答した。

議員連合の前会長「選挙のプラスになるか考える」

さらに取材班は、2021年まで議連の会長だった原田義昭前衆院議員に、旧統一教会とのつながりを知っていたか聞いた。

「日本・世界平和議員連合」前会長・原田義昭前衆議院議員:
なんとなく感じていたかどうかは知りませんけど、私はそういうことは抜きに議連の趣旨が正しいものであれば、それに参加することがありうる

第4次安倍内閣で環境大臣も務めた原田氏。議連の活動と選挙戦の関係についてはこう説明した。

「日本・世界平和議員連合」前会長・原田義昭前衆議院議員:
議員たるものは、悲しいけれども、それが自分の選挙にプラスになるか、それともマイナスになるかということは常に判断していると思う

問われる政治と宗教のつながり。透明性のある対応が求められる。

(「イット!」7月26日放送分より)