母親が入信している旧統一教会への恨みが引き金になったとみられる、安倍元首相銃撃事件。山上容疑者の親族によると、母親は「旧統一教会に迷惑をかけ申し訳ない」と話しているという。

事件後、次々と明らかになっているのが、旧統一教会と政界のつながりだ。

韓総裁の功績に触れ、祝意示す

2019年10月、旧統一教会の友好団体が名古屋市で主催した会合。

海外からも含め多くの関係者が集まった会場では、創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏を称えるVTRなどが流された。そして、最後に登場したのが文鮮明氏の妻で現在、総裁を務める韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏。

この会合で挨拶に立ったのが、官房長官などの要職を務めた自民党の重鎮、細田博之衆議院議長だ。

自民党 細田博之氏:
本日は国際指導者会議2019のご盛会、誠におめでとうございます。安倍総理にも私は始終話をしておりますので、今日の盛会を安倍総理に早速ご報告したいと考えております

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細田氏が当時の安倍首相の名を挙げると、会場から拍手が沸き起こった。

自民党 細田博之氏:
韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際指導者会議の場は、大変意義が深いわけでございます

韓総裁の功績に触れると、会場は一段と大きな拍手に包まれた。

末松文科相がパーティー券購入「便宜図るためでない」

壺などを高額で販売する「霊感商法」や多額の献金などが社会問題化した、旧統一教会と政界とのつながり。

末松文科相は7月22日の会見で、パーティー券の購入の事実があることを明らかにした上でこう述べた。

末松信介 文科相:
私自身、旧統一協会とですね、関係団体と特別なお付き合いというのは、そういう認識は全くございません

「やましいことは一切なく、意図を持ってや便宜を図るためではない」と説明した。

元信者で旧統一教会に詳しい金沢大学の仲正佐教授は、教団と政治家の接点をこう指摘する。

金沢大学 仲正昌樹教授:
そりゃ選挙活動ですよ。それ以外にないと思います。旧統一教会の信者だったら、「神様のためにこの先生を応援してる」って、本人たちは必死になっている

招待の理由「活動に賛同いただける各界の方に…」

細田氏が出席した会合を主催した旧統一協会の友好団体は、招待した理由について次のようにコメントした。

旧統一協会の友好団体:
弊団体の活動の趣旨に賛同していただける各界各層の有識者の方々をお招きし、ご挨拶やご講演いただくことはございますが、細かい経緯に関しては相手方のあることなので、個別の問い合わせには回答しておりません。

会合の様子を伝えていたホームページからは24日、細田衆議院議長が会合で挨拶する動画がなくなり、閲覧できなくなった。細田氏は「この会が大きな成果を上げ、成功されることを念じまして、ご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます」と述べていた。

旧統一教会の友好団体とは、どのような関係にあったのか。番組の質問に細田氏の事務所は「コメントできない」としている。

(「イット! 」7月25日放送)