東アジアナンバー1を決める「東アジアE-1サッカー選手権2022」が男子・女子ともに19日にカシマスタジアムで開幕を迎える。注目はカタールワールドカップまであと4ヵ月の男子・森保ジャパンだ。

この大会は、FIFAの規定の影響で海外組の招集ができず、Jリーグ勢中心のメンバー編成になっている。それでも、注目せざるを得ない理由がある。

ワールドカップへのサプライズ選出

2013年大会の大迫勇也や柿谷曜一朗らのように、過去、この大会で代表初出場を果たし、その実力を大いにアピールし、ワールドカップのメンバー入りを果たした選手は少なくない。自身も2014年ブラジルW杯でサプライズ選出を勝ち取った大久保嘉人氏もE-1の魅力を感じているという。

「選手にとってはめちゃくちゃチャンスですよ。本当にチャンスなんです。そういうのが今回のE-1の魅力かなって、僕は思いますね」

今週、水曜日に発表された代表メンバー。注目は、現在J1リーグ首位の横浜F・マリノスから大量7選手が選出された。

32歳で代表初招集、正確なクロスでアシストを量産する水沼宏太。約10年ぶりの代表復帰、トップスピードが武器の宮市亮。その他にも、攻守に豊富なタレントが選出されたが、大久保氏が挙げたのはパリ五輪世代の若武者だった。

大久保氏が注目する選手は…

「僕はパッと見たときは…チマ」

大久保氏が注目する藤田譲瑠チマ 写真:横浜F・マリノス提供
大久保氏が注目する藤田譲瑠チマ 写真:横浜F・マリノス提供
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大久保氏が注目するのは、20歳の藤田譲瑠(じょえる)チマ。攻守の要・ボランチのポジションにつく藤田。ボールを奪う能力はもちろん。攻撃においては、的確な判断力でゴールの起点となる働きを見せる。パリ五輪世代ではキャプテンとしてリーダーシップを発揮する逸材は自身の強みをこう挙げる。

「自分の持ち味は遠慮せずに出していきたい。どんどん初めての選手にも(特長を)伝えていければいいと思います」

実はチームメートだった2人

2020年東京V時代に実はチームメートだった2人。当時、藤田はどんな選手だったのか?大久保氏は当時を振り返る。

「本当にダメだったんですよ。マジで下手くそで…」

当時の藤田を酷評する大久保氏。シーズン前のキャンプでのエピソードを明かしてくれた。

「スタッフさんが僕と譲瑠を一緒の部屋にしたんです。二人部屋に。譲瑠はたまったもんじゃないでしょうね(笑)でも俺はそこでチャンスと。『こいつを変えないといけないな』と思って、『練習試合のビデオを借りてこい』と伝えました」

「(試合のビデオを2人で見ながら)この時、お前は何を考えていたの?縦パスをダイレクトで入れられるタイミングじゃん。で、お前はどこに行った?逆サイドに行ったよね。、ここにパスを入れられるチャンスを1回逃したぞ」

「そういうふうにずっと言い続けて、徐々にシーズンの終わりくらいになって、実際にチームで1番(パスを)入れられるようになったんです」

今季首位Fマリノスの主力選手に

大久保氏の教えが効いたのか、2019~20年シーズンに東京V(J2)から始まった藤田のキャリアは、2021年シーズンは徳島(J1)、2022年シーズンは横浜FM(J1)と確実にステップアップしていった。今季は16試合に出場、うち9試合に先発出場し、首位Fマリノスの主力として戦っている。(※7月16日現在)

大久保氏から見た藤田の成長とは…

「今はボールを取ったら、とりあえず前を見ている場面が多いので、そこが一番変わりました。それだけで違うんですよ。非常にのびのびやっているというか。プレーもそうですけど、『あ、こいつ自信をつけてきたな』と見た目でわかりますよね」

「W杯開催の4カ月前にこんなチャンスないですよ。本当にうらやましいなと思うし、最後のチャンスと思ってやるべきかなと思います」

「伸びしろ」しかない20歳の若武者・藤田譲瑠チマ。大久保氏が大いに期待を寄せるこの男がサプライズを起こすかもしれない。

東アジアE-1サッカー選手権
第1戦 日本×香港 7月19日(火) よる7時~
第2戦 日本×中国 7月24日(日) よる7時~
第3戦 日本×韓国 7月27日(水) よる7時~
フジテレビ系列にて放送

 

FIFAワールドカップカタール2022
12月2日(金)日本×スペイン
フジテレビ系列にて放送

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7月23日(土)24時35分から
7月24日(日)23時15分から
フジテレビ系列で放送