感染状況の警戒度「最高レベル」に
新規感染者数の 7 日間平均は、前回の4395人から、1万110 人に大きく増加した。 感染状況の警戒度は赤、オレンジ、黄色、緑の4段階のうちの最高レベル「赤」に引き上げられた。
年代別にみると20 代が 22.3%と最も高く次いで 30 代が 17.9%で、30 代以下の割が 62.9%と高い値で推移。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、これまでも感染拡大時は、まず若年層にひろがり、その後中高年層にひろがっていった、として保育所・幼稚園、学校、職場での感染防止対策の徹底を求めた。

1週間後に第6波超えか
「これまでに経験したことのない爆発的な感染状況になります」 感染拡大のスピードを示す増加比は約230%と先月から上昇し続けていて、今のままだと1日当たりの感染者数は20日に2万3253人と第6波のピークを超え、さらに 2 週間後の27 日には5万3482 人となる、と大曲氏は強い危機感とともに推定値を明らかにした。
医療提供体制の警戒度も引き上げ
「それぞれの病院がですね、コロナ病床を広げる努力をしている、そういう状況です」 入院患者数は2週間で2・5倍に増加し医療提供体制も警戒度が一段引き上げられた。
東京都医師会の猪口正孝副会長は今の入院患者数について「これまでの経験している(ピークの)患者数までは達していないので、そんな混乱が起きている状況ではない」としつつも、病床の増床を進めるとともに、宿泊療養・自宅療養の体制を充実させる必要を指摘した。

宿泊療養者急増 使用率77%
「新規感染者数が倍々ゲームになっているのにカバーできるのか」 13日現在、宿泊療養には7689床用意されているが、すでに5957人が宿泊療養中、使用率は約77%にのぼる。
ある関係者は、宿泊療養施設の滞在が原則10日である事、新規感染者・宿泊療養者の急増が始まってから10日ぐらい経つ事、今後も増床を進める事をあげつつ、「計算上はまさに今日以降、改善するかどうかだが・・・」と感染拡大に間に合うか、疑問の声を上げた。
“感染力強い”BA.5が半数超え主流に
また、これまで主流だった「BA.2」疑いが38.3%、より感染力が強いとされる「BA.5」疑いが56.4%と半数を超え、置き換わりが進んでいることもわかり、さらなる感染拡大が懸念される。

免疫逃避も発症・重症化抑制には効果あり
「2回接種だけでは、オミクロン株亜系統に対する効果は不十分」 接種から7か月後の中和抗体価は、2回目より3回目のほうが高い値を維持している、4回接種により、さらに中和抗体価が増加すると考えられる、とのデータが示された。
「やはりワクチンが最も効果的であるのはもうこれは事実だと思いますので」 東京iCDCの賀来満夫所長は3回目接種の“効果”について、オミクロン株が免疫を逃避するので感染をブロックする効果は若干弱くなるが、発症や重症化を防ぐ効果は高い、との見方をしめした。
20代~30代の半数が、まだ2回
「私はファイザー、ファイザー、モデルナ、モデルナ、のPPMMです」 小池知事は「20代30代でワクチン接種されている方々、約半数が3回目の接種を受けていない」として若い人にワクチン接種を強く呼びかけるとともに、モニタリング会議後、都庁内にある大規模接種会場でモデルナ社製のワクチンで4回目の接種を受けた。

「イメージだけでおっしゃらないように」
静岡・川勝知事「一番多くの感染者が出ているのは東京都で160万人、従って死者も一番多いと言うことになります」
東京・小池知事「東京は感染者数は多いんですけれども、お亡くなりになる方は一番ではありません」
これは7日に開かれた1都8県の知事のテレビ会議で静岡県の川勝平太知事が「新型コロナによる死者は東京都が一番多い」と発言したときのこと。小池知事は「新型コロナの死者は大阪の方が700人多い」として「イメージだけでおっしゃらないようにしたほうが良いのではないかと思います」と不快感をあらわにした。
死者を抑えるため高齢者施設でのワクチン接種や検査、高齢者向けの宿泊療養など様々な対策を行ってきた小池知事としては看過できない発言だったのだろう。
夜の街は人出減 3度目の夏は
夜の街の人出は新規感染者数の急増にともない減少に転じ、前週比7.8 %減となった。都民の努力、と見る向きもあるが、感染の波にあわせた「感染予防対策“強化”」と「感染力の強さ」、ウイズコロナの3度目の夏は、この綱引き次第となるのだろう。
(フジテレビ社会部・都庁担当 小川美那)