7月11日に営まれた安倍晋三元首相の通夜には、国会議員の他に、外国の要人や経済界の関係者など、各界から多くの人が最期の別れに訪れました。
通夜の場で昭恵夫人は気丈に振る舞い、参列者に感謝の言葉を口にしていたといいます。
2人でチャーハンをつぎ合い…祖父の代から親交 感謝の思い
7月11日に営まれた安倍元首相の通夜。焼香に訪れた約2500人の参列者の中には、特別な思いを抱いて参列した男性がいました。
この記事の画像(12枚)安倍元首相の地元・山口県で老舗旅館を経営する岡藤明史さん(34)は、祖父の代から安倍元首相と交流があるといいます。6時間以上かけて上京しました。
祖父の代から安倍元首相と交流がある 岡藤明史さん:
同じ地域を共にしていた祖父と晋太郎さんの深い関係があったというのは聞いております。父と安倍晋三さんもうちの父の方が2つ上ということで、もう私が生まれたときには、本当…それよりも何十年も前から、安倍さんとのご縁があるんです
祖父の代から安倍家とは親交があり、親戚のような付き合いを続けてきたといいます。
岡藤明史さん:
Q.お互いになんと呼んでいた?
僕は、あきふみくんって下の名前で呼んでもらっていて。僕は晋三さんって呼んでるんですけど。あんまり変わらないですよね、昔からの感覚と。
チャーハンをついでる写真があったんですけど、何人かで食事をしたときに、晋三さんと2人でチャーハンをつぎあってるのを、「あなたたち仲いいね」とかいいながら、昭恵さんが写真撮って、それでくださったんですけど。本当、家族のように…あのとき僕も父が亡くなったあとでしたので
父親が亡くなった後、安倍元首相は昭恵さんと2人で、親のように接してくれたと言います。「感謝の気持ちと、本当に突然の事だったのでショックだったんですが。しっかり前を見て、次の明るい挑戦をしてくる、その報告とお伝えできればなと思いますね」と話し、通夜の会場へ向かった岡藤さん。そして約2時間後…
岡藤明史さん:
Q.最後にどんな思いを伝えた?
我々、山口県の地元からすると、安倍先生が国民のリーダーとして頑張られてた姿というのが一番、我々にとっての励みでしたので。本当に最後、頑張りますという気持ちをお伝えできた、そんな時間でした
感謝の言葉と、これからの決意を報告。
会場には安倍元首相のピアノに合わせ 夫人と合唱する歌声が…
会場で、妻の昭恵さんとも顔を合わせたといい、「『来てくれたんだ』って言っていただいて、本当に一番大変な想いをされてるのは昭恵さんですから、しっかりと周りの方で支えてあげないといけないなと思います」と岡藤さんは話します。
参列者に感謝の言葉を述べるなど、気丈に振る舞っていたという昭恵さん。会場には、ある音楽が流れていました。
岡藤明史さん:
「花は咲く」を晋三先生が弾かれてたんじゃないかと。それを昭恵さんと一緒に歌われてて、普段の昭恵さんと晋三さんの雰囲気をすごくそこで感じられて、またグッとくるようなものがあって
安倍元首相がピアノを弾き、昭恵さんと2人で合唱する音声が、流れていたといいます。
岡藤明史さん:
普段の2人の会話って、すごくあたたかくて。素敵なご夫婦だなっていうのを僕たちはすごく感じてましたので。最後ここにきてそういった一面を感じられたっていうのは、本当に最後の最後まで、感謝をさせていただきました
安倍元首相を支えた昭恵さん SNSでプライベートの姿も
安倍元首相が昭恵さんと結婚したのは、1987年。その6年後、急死した父・晋太郎氏の地盤を引き継ぎ、衆議院議員に初当選。隣には、政治家の妻として、初々しい昭恵さんの姿がありました。
初当選から10年後、安倍元首相は49歳という若さで、自民党の幹事長に指名されます。そして、その3年後の2003年、戦後最年少の52歳で、総理大臣に就任しました。憲政史上最長となる8年8カ月にわたる総理在任期間、ファーストレディーとして安倍元首相を支えたのが、昭恵さんです。
総理である夫のアピールにも積極的に取り組みました。SNSを通じて、プライベートの姿も発信。クリスマスの様子や、愛犬とのやりとりも…
そして2019年には、「6月9日は32回目の結婚記念日」として結婚記念日を祝う、穏やかな笑顔が印象的な投稿も。
知人語る秘話「たこ焼きづくりの練習を…」
「#安倍さんありがとう」のハッシュタグとともにネットに投稿された写真は、2021年、安倍元首相の自宅で行われたたこ焼きパーティーの様子です。そこに写っているのは、自らたこ焼きを焼く安倍元首相。
投稿した、教育関係の活動を通じて昭恵さんと知り合ったという起業家の小幡和輝さんは…
安倍夫妻と親交がある 起業家・小幡和輝さん:
Q.安倍元首相にたこ焼きを作ってもらうことに緊張感は?
最初は、そもそもいいのかなとか思いながらだったんですが、すごく本当に気さくに。(パーティのためにたこ焼きづくりを)練習をされたということをお伺いして
安倍元首相は、事前にたこ焼き作りの練習をしていたといいます。この時、キッチンでは昭恵さんが…
安倍夫妻と親交がある 起業家・小幡和輝さん:
(昭恵さんが)粉を台所で作ってこられて、晋三さんにお渡しして焼いてくれるという。本当に良いご夫婦で、見ていて微笑ましかったというか、幸せでした
11日の通夜で、弔問客に配られた、香典返し。添えられたカードには、こう綴られていました。
「本日は ご多用中にもかかわらず ご会葬頂き 誠に有り難うございます。また ご鄭重なるご弔慰を賜り 厚く御礼申し上げます。故 安倍晋三に対しまして 生前に賜りましたご厚誼に 深く深く感謝申し上げます。 喪主 安倍昭恵」
(めざまし8 7月12日放送)