宮崎市の平和台公園で、半世紀にわたり移動販売車でホットドッグを作り続けた女性がいる。閉店を迎えた6月7日、思い出が詰まった味を懐かしむ多くの人が訪れた。

昭和46年から販売開始 51年の歴史に幕

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朝10時、宮崎市の平和台公園に決まってやってくる、一台の移動販売車。車内に正座してホットドッグを作っているのは、中原サチ子さん(83)だ。

カリッと焼き上げられたパンが食欲をそそる
カリッと焼き上げられたパンが食欲をそそる

パンをカリっと焼き上げて作るキャベツたっぷりのホットドッグは、平和台の名物となっている。

来店客:
おいしい!おいしいです

中原さんは1971年、日南市で移動販売をスタートした。5年後に現在の場所に移り、天気の悪い日以外は、ほぼ毎日店を出し続けてきた。

中原サチ子さん:
昭和46年(1971年)に始めたから、その頃は新婚さんの観光バスが3台出ていた。福岡から子どもさんが来て、親が新婚旅行に平和台に来たって。「あのおばちゃんまだいると?」って言われたって。香港・台湾(からの観光客も)すごかった。バスがずら~っと並んでね

ーー外国の言葉も覚えられたんですか?
中原サチ子さん:

商売に使うものだけ。聞くだけじゃだめ、発音ができないわけ。聞いて自分が書かないと

半世紀に渡って平和台公園に響き続けた中原さんの元気な声、その声が聞けるのも残りわずかとなった。中原さんは材料費の値上げや自身の年齢などを考慮し、6月7日で店をたたむことを決めた。

中原サチ子さん:
こんなたくさんお客さんがいたのやろうかと思うくらい、あとでは寂しくなるやろうね。会えなくなるからね

ーーまた来てしまうのではないですか?
中原サチ子さん:

あっはっはっは!

連日長蛇の列…最終日は最長6時間待ち

取材班がお昼時に平和公園を訪れると、店の前にはずらりと長い列が…。最後のホットドッグを買い求める客でにぎわっていた。

車内はオーブンなどの熱でかなりの高温に…。その中、中原さんは食事を取る間も惜しんで、来店客に焼き立ての味を提供し続ける。

中原サチ子さん:
昔から忙しい時はこう。ちょこちょことお水は飲むけど

来店客:
食べられなくなると思うとよけい美味しくなる

来店客:
やみつきになりますね。でも閉まると聞いてショックです

30年来の常連客:
美味しかったです。ずっと覚えていようと思います、この味を

中原サチ子さん:
本当ありがたい。お客さんのおかげでね、ここまで元気で来られたということでね。ここが一番私には合っていたのかな。

最終日は朝から長蛇の列!数百人が並んだ
最終日は朝から長蛇の列!数百人が並んだ

そして迎えた、閉店日当日。移動販売車のある平和台公園の駐車場には、朝から長蛇の列ができていた。数百人が並び、なんと6時間待ちとなる時もあった。

51年間、多くの人のお腹と心を満たしてきた中原さんのホットドッグ。最後の日も、変わらぬ味と笑顔でお客さんを迎える。そして中原さんも、お客さんたちの笑顔に囲まれながら、お店の歴史に幕を下ろした。

(テレビ宮崎)

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